不妊治療
不妊治療
当院は港区を中心に都内および全国の生殖補助医療を実施している不妊治療専門施設と学会活動などを通して密な連携を構築しておりますので、患者様個人に最適な施設をオーダーメイドでご紹介することが可能です。手術療法が必要な方には、婦人科手術を実施する医療機関の担当医をダイレクトかつスムーズにご紹介いたします。体外受精胚移植などの生殖補助医療を提供する不妊治療専門施設(体外受精を行っている施設)への紹介状も迅速にお渡しします。
また、当院では保険診療・自費診療ともにご利用いただけます。
保険適応だけの治療で、良い成果が得られない方は先進医療や自費診療も追加されることをお勧めします。
他院で保険診療を行い、当院で自費診療を行う方もいらっしぃます。
当院では患者様の状態を見極め、お一人お一人に適した不妊治療をご提案させていただきます。お気軽に医師にご相談ください。
当院は2018年12月に開院し7年目に入り、積極的に不妊治療を行ってまいりました。
着床不全不妊症・体外受精で良好胚を移植して結果の出ない方については、体外受精を行っている施設と同等またはそれ以上に注力して治療を行っています。
流産のご経験がある方に対しては独自の診断・治療を行っています。
治療成績については臨床統計を取り、解析可能な新たな取り組みについては学会発表も行っていますので、そちらも合わせてご覧ください。
漫然と治療することなく可能な限り妊娠率を高めるように、これからもさまざまな取り組みを行ってまいります。
令和1年1月~令和4年12月までの当院での治療データについての統計もご覧ください。
解説は2022年7月9日、2022年7月11日のブログをご参考にしてください。
令和1年 1月~12月 |
令和2年 1月~12月 |
令和3年 1月~12月 |
令和4年 1月~12月 |
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原発性不妊症 | 57.1% | 74.8% | 60.0% | 69.0% |
続発性不妊症 | 42.9% | 25.2% | 40.0% | 31.0% |
※平均年齢 33.8歳
令和1年 1月~12月 |
令和2年 1月~12月 |
令和3年 1月~12月 |
令和4年 1月~12月 |
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~29歳 | 15.5% | 14.5% | 19.0% | 21.0% |
30歳~34歳 | 41.5% | 42.7% | 42.0% | 43.0% |
35歳~39歳 | 32.4% | 32.1% | 28.0% | 28.0% |
40歳~ | 16.8% | 11.5% | 12.0% | 9.0% |
令和1年 1月~12月 |
令和2年 1月~12月 |
令和3年 1月~12月 |
令和4年 1月~12月 |
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通院を継続された場合 | 43.8% | 33.0% | 32.0% | 39.0% |
通院を継続されなかった 場合を含む |
18.1% | 24.4% | 20.0% | 17.0% |
令和1年 1月~12月 |
令和2年 1月~12月 |
令和3年 1月~12月 |
令和4年 1月~12月 |
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初回 | 42.8% | 45.5% | 63.0% | 42.0% |
2回目 | 87.0% | 63.0% | ||
3回目 | 86.8% | 90.1% | 100.0% | 74.0% |
6回目 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
令和3年 1月~12月 | 令和4年 1月~12月 | |
1回目 | 40.0% | 36.0% |
2回目まで | 70.0% | 73.0% |
3回目まで | 80.0% | 91.0% |
4回目まで | 100.0% | 100.0% |
不妊治療で当院を受診される患者様は、ご希望により不妊治療の助成金を申し込むことができます。詳細はクリニックにてお尋ねください。
※最大50,000円まで可能。
患者様は、ご希望によりプレコンセプショナルケア助成金を申し込むことができます。詳細はクリニックにてお尋ねください。
※最大30,000円まで可能(女性)。最大20,000円まで可能(男性)。
妊娠・出産前のヘルスチェックについてまつみレディースクリニックは「TOKYOプレコンゼミ」登録医療機関です。
不妊治療保険 | 約7,500円 (内診など診察+ホルモン採血(一部)+培養+超音波) |
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超音波検査 | 約1,600円 |
基礎ホルモン検査 (①LH②FSH ③E2④PRL) |
①‐④約2,450円 ①‐③約2,150円 ①・③約1,760円 |
クラミジア抗体検査 | 約1,800円 |
甲状腺機能検査 | 約3,850円 |
子宮鏡検査 | 約5,400円 |
※上記料金に加えて診察料がかかります。
令和4年4月から不妊治療の保険適用化が開始されたことに伴い、従来の港区特定不妊治療助成制度(体外受精・顕微授精の医療保険が適用されない費用の一部を助成)については、経過措置の対象となる治療を除き終了しました。
しかし、保険適用開始後も保険診療の対象にならない治療が一部あるため、治療を受ける方の経済的負担軽減を図ることを目的として、公的医療保険の適応外の治療(先進医療、自由診療)にかかる費用を助成する港区特定不妊治療費(先進医療、自由診療)助成金制度がございます。
先進医療、自由診療に要した自己負担額が1回の上限30万円まで助成されます。
2022年4月より不妊治療の診療の一部が保険適用となりました。
その際、法律婚の方・事実婚の方それぞれに以下の書類の提出を初診時・もしくは2回目の診察時に必ずご提出をお願いしております。
当院が定める各種必要書類の提出がない場合、法律婚の場合も自費診療といたします。(発行日より提出日が3か月以内のもののみ有効)
また、同居していない場合の事実婚のカップルについても当院では自費診療となります。
今後の治療方針を「一般不妊治療計画管理料」として3か月に1度保険徴収として750円算定します。(以下書類の提出がない場合自費にて算定)
なお一般不妊治療管理計画の立案時、夫・パートナーの同席が6か月に一度同席が必要となります。
※書類提出後に入籍など戸籍や住所の変更があった場合には速やかにご連絡ください。
※1年以上の受診がない場合は、治療再開時に再度必要書類の提出をお願いします。
ご夫婦ともに日本国籍 | ご夫婦のいずれか日本国籍 | ご夫婦ともに外国籍 | |
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タイミング療法 人工授精 |
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ご夫婦ともに日本国籍 | ご夫婦のいずれか日本国籍 | ご夫婦ともに外国籍 | |
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タイミング療法 人工授精 |
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①:提出書類に記載されている氏名と保険証に記載されている氏名が異なる場合には、おふたりの氏名があわせて記載されている公的文書(住民票)もご提出ください。
②:住民票や戸籍抄本は無効とします。
月経周期が順調の方には、原則的に排卵誘発剤を使用せず、自然周期のタイミング指導や人工授精を行います。月経不順や無月経の方について、状況に応じて、排卵誘発剤(レトロゾールやクロミッド)の内服による治療とFSH製剤(ゴナールF)の注射を行います。
※当院はレトロゾール(フェマーラ)を第一選択にしています。
※FSH製剤(ゴナールF)は主に自己注射を用いています。
排卵の時期の推定については、超音波による卵胞計測と血中のホルモン検査の組み合わせで行います。
これは最も精度が高い方法ですが、自費診療で行う場合があります。
不妊患者の初診には保険診療で診察を受けることができますが、診療内容によって自費となる場合もございます。不妊治療は結果を出すことが重要ですので、ご了承の程宜しくお願いいたします。
着床障害とは体外受精で良好な受精卵を何度か子宮に戻しても妊娠に至らないことを言います。着床を阻害する因子としては慢性子宮内膜炎、子宮内細菌叢(子宮内フローラ)の異常が近年注目を浴びており、これらに対して当院は体外受精を行っている施設とほぼ同等の治療を行っており、一部の結果については国内外の学会で発表をしています。
概ね、生殖補助医療施設で行う着床検査と当院で行っている検査は以下のように対応しています。
慢性子宮内膜炎検査:CD138検査
子宮内フローラ検査:EMMA検査/ALICE検査
EMMA検査は、子宮内膜の細菌環境を調べる検査です。具体的には、子宮内膜に存在する細菌の種類と割合を分析し、妊娠に最適な環境かどうかを確認します。特に、ラクトバチルスという善玉菌が90%以上存在することが理想とされています。
ALICE検査は、慢性子宮内膜炎を引き起こす可能性のある病原菌を検出する検査です。これにより、慢性子宮内膜炎が妊娠に与える影響を評価し、適切な治療を行うことができます。
当院では子宮内膜ポリープや慢性子宮内膜炎などを診断するために、子宮鏡というファイバースコープを用いて子宮の内宮を実際にみる検査をおこなっています。
近年、着床障害に慢性子宮内膜炎が関与しているとの報告が散見されております。
慢性子宮内膜炎は細菌感染により子宮内膜が炎症を起こしている病態で、組織学的には子宮内膜への形質細胞(CD138陽性細胞)の浸潤を特徴としています。
診察にて、子宮内膜を採取します。
検査は(子宮内膜基底層を採取するため)排卵後のいわゆる高温相の時期に行います。
CD138陽性細胞を複数認めた場合は、抗生剤治療を行います。
第一選択薬 ビブラマイシン(テトラサイクリン系)
※治療が必要になった場合は、内服治療後に再検査が必要です。
※子宮内フローラ検査(子宮内細菌叢検査)については当院は厚生労働省から先進医療認定施設として登録されているため、港区にお住まいの方や、先進医療特約の保険に入られている方は公的補助が受けられます。
※子宮内フローラ検査(子宮内細菌叢検査)については、当院にはさまざまな知見があり、国際学会においても発表をしています。
Relationship between Uterine Microbiota and NK Cell Activity and Complement Consumption in Infertile Patients with Implantation Failure. The 2nd Asia Congress for Reproductive Immunology September6-82024 Republic of Korea
Hirotaka Matsum MATSUMI Ladies Clinic
子宮内フローラ検査は子宮内の環境(微量な細菌)を調べる検査です。
子宮内の細菌(細菌叢):子宮内フローラが乱れていた場合は、適切な抗生剤とサプリメントを服用することで正常な子宮内環境に近づけることができます。
乱れていた子宮内環境を正常にすることにより、いい受精卵が着床しない状態(着床不全)を是正することが出来ます。
当院では、これまでタイミング法や人工授精を行っても、妊娠に至らなかった不妊症や流産を繰り返す不育症の患者様に検査を推奨しております。
1回目:44,000円 2回目:38,000円
子宮内フローラを正常化するサプリメントも当院で取り扱っております。
ラクトフェリン(90粒入り):8,100円
子宮鏡検査で、慢性子宮内膜炎、子宮内膜ポリープ、子宮内癒着、慢性子宮内膜炎の有無などを調べます。
子宮鏡とは、子宮用の細い内視鏡(胃カメラに似ているファイバースコープです)を子宮の入口から挿入し子宮内を観察する検査です。検査前の全患者様におりものの検査をさせていただいております。検査を希望される際は初診にておりものの検査を行い、月経終了後にご連絡をいただき事前予約の上、月経日から7~12日目あたりでの検査となります。
予約に関しては電話もしくはメールからの予約をお願いいたします。
フェムビュー検査とは卵管が通っているかを調べる検査です。
不妊の原因の3割が卵管性不妊と言われています。両側の卵管が詰まっている場合、妊娠に必須である卵子と精子の出会いは不可能となります。当検査は生理食塩水と空気の混合液を子宮腔内に注入することで超音波子宮卵管撮影による卵管の評価が可能となります。超音波画像のため、放射線被曝がなく、X線ヨード造影剤も必要ありません。通水検査施行後6か月は妊娠する可能性があるとの報告があります。
妊娠されたことのない方、クラミジア陽性で卵管閉塞や癒着のリスクのある方などに行います。またこれに当てはまらない方でも通水検査の希望があれば行います。検査前の全患者様におりものの検査をさせていただいております。検査を希望される際は初診にておりものの検査を行い、月経終了後にご連絡をいただき事前予約の上、月経日から7~12日目あたりでの検査となります。
予約に関しては電話もしくはメールからの予約をお願いいたします。
※当検査は自費検査です。自費の周期は他の通院時の診察料も自費となってしまいますので、ご注意ください。
不妊の原因の約半数が男性にあります(男性不妊)。子どもが欲しいと考えているご夫婦は精子の検査もおすすめします。結果によっては他院での体外受精や顕微授精などの高度生殖補助医療が必要な場合もあります。希望の場合はご主人様のお名前でホームページの予約フォ ームから不妊症初診でご予約ください。
※検査結果により薬剤の処方があるため、上記の料金に薬剤費と処方箋費が加算される場合がございます。
①妊娠に十分な栄養を蓄えるための十分な栄養(葉酸またはビタミンD)があるかの検査が受けられます。
費用(各々1項目):3,000円
②総合的な栄養検査(葉酸とビタミンDのセット)が不足していないかの検査が受けられます。
費用:5,000円
それぞれの検査の結果、不足している成分をサプリメントで補うことができます。
ドクターが処方をしてクリニック内でお求めできます。
サプリメントは薬を服用するよりも副作用がなく体にご負担なく続けられるのがメリットです。
詳細はクリニックにパンフレットがありますので、お声掛けください。
漢方医療が不妊症に効果があることはよく知られておりまして、当院では、積極的に漢方医療を行っています。
不妊の原因や治療歴によって、患者様によって治療のスケジュールは異なります。
はじめは、不妊の原因を調べるための検査を奥様とご主人様を並行して進めます。
その後、積極的に排卵誘発剤を使用したり、人工授精を行います。
不妊症の原因と治療法は、大きく分けると次のように大別されます。
近年、男性のストレスなどによる性機能障害が不妊の原因となっている場合があり、ED治療薬や人工授精により治療します。
子宮頸部からの分泌される粘液の量が少なかったり性状が悪かったりすると子宮の奥に精子が進めなくなり不妊症になります。
子宮の形が異常な場合(子宮奇形)や子宮筋腫(特に粘膜下筋腫や多発性筋腫)が存在する場合、あるいは子宮内膜ポリープや子宮内腔の癒着がある場合に不妊症になる場合があります。但し、子宮筋腫や子宮内膜ポリープがあると必ず不妊症になるというわけではなく、その存在する場所や大きさによっては、妊娠が可能な場合があります。
さらに、子宮内膜の機能異常(黄体ホルモンによる子宮内膜の反応性が悪い場合や子宮腺筋症がある場合)も不妊症となります。
卵管は、精子の移送や受精卵の発育・移送を担っている重要な管です。この卵管が膣から侵入したクラミジアなどに感染すると、卵管が詰まったり、細くなることにより精子と卵子が出会えなくなります。また、子宮内膜症や手術による癒着や、卵管内に水が貯まる卵管水腫も卵管機能障害の原因です。
治療法として、通水検査による治療、卵管形成術、体外受精・胚移植法があります。
男性因子には、精液量が少ない場合や精子数が少ない場合、あるいは精子の運動率が悪い場合があります。
薬物療法や人工授精を行います。
尚、精液所見により自然妊娠が困難と判断される重度の乏精子症や精子無力症などの場合は、はじめから体外受精や顕微授精をお勧めする場合があります。
下垂体から分泌されるプロラクチンと呼ばれるホルモンが高値となる高プロラクチン血症になると男女ともに不妊症の原因となります。
また、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが減少すると不妊症の原因となります。
頸管粘液の中に、精子を動かなくしたり精子を凝集させてしまうような抗精子抗体と呼ばれる抗体が存在する場合には、射精された精子が子宮内を進めなくなり、結果として卵子と受精できなく不妊症となります。
排卵が起こらないともちろん妊娠はしません。
必要に応じて、排卵誘発剤を用いて成熟卵子の排卵を促します。
排卵誘発剤には、主に経口剤と注射薬があります。専門の熟練した医師が経過を観察しながら投薬しますので、卵巣過剰刺激症候群などの副作用の心配はありません。