WEB開催となってしまった第2回日本不育症学会で受講した不育症認定医の講習会の報告です。
講習会は全6回で、以下の6つのパートから構成されていました。
①、不育症のオーバービュー
②、先天性子宮形態異常と不育症
③、流産染色体検査
④、遺伝医療と医療倫理
⑤、不育症における遺伝カウンセリング
⑥、不育症患者のための認知行動療法
最初の「不育症のオーバービュー」は総説のようなものでしたので、第1回目は竹下俊行日本医科大学産婦人科教授の「先天性子宮形態異常と不育症」について解説してみます。
竹下教授とは若かりし頃、香港で開催された国際学会において帝京溝口病院でまとめた子宮鏡の演題を口演発表したのち、中華料理をご一緒したことなどもあり、今に至るまで、大変良くして頂いております。
皆さまご存知の通り、子宮の形が悪い(=子宮形態異常)と不育症になります。
子宮の形態異常は先天性と後天性大きく分けられますが、先天性の子宮奇形の主なものとしては、①重複子宮(双頸双角子宮)②双角子宮、③中隔子宮、④弓状子宮が挙げられます。
後天性の子宮形態異常の中で、不育症や不妊症と関連があるものとしては、流産手術(あるいは人工妊娠中絶手術)によって起きるアッシャーマン症候群が有名です。
なお、双角子宮、中隔子宮、弓状子宮は子宮底部のくぼみ具合によって分類されています。
子宮奇形は概ね4-6%の頻度で女性に認められますが、不育症の患者さんでは15%程度とその割合は増加します。
子宮鏡や超音波検査(や子宮卵管造影)、あるいはMRI検査が子宮奇形の診断に有用です。
次回、先天性子宮形態異常と不育症(後編)では、子宮奇形の中の双角子宮や中隔子宮が不育症や流産の原因となることが多い理由をわかりやすく解説します。
さて、当院では子宮鏡検査やMRI検査をオーダーメードで受けることができます。
有難いことに子宮鏡検査を受ける患者さまは増加傾向にあり、WEBからのご予約は受け付けておりません。
子宮鏡検査に加えまして、近隣の病院との特別に緊密な連携により、今年度よりほぼ待期期間なくMRI検査を受けることが可能になりました。
子宮鏡検査もクリニックからはご予約を取ることができます。
原因不明の不正出血で困っている方、流産をしたことがある方、他院にて子宮内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫を指摘された方など、子宮鏡検査およびMRI検査をご希望の方はクリニックにご連絡ください。