昨日は休診日ですが、港区医師会に所属する医師として、高齢者コロナワクチン接種の業務に従事してきました。
コロナワクチン接種は、医療従事者等への接種が最初に行われ、その後、高齢者、基礎疾患を有する方等の順に接種を進めていく計画です。
予防接種を受ける方には、接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、同意を得て接種が行われます。
ご存知のように全額公費で接種を行うため、接種は無料です。
高齢者とは令和3年度中に65歳に達する方を指し、港区では接種は5月17日から開始されています。
一般的に、ワクチン接種では、副反応による健康被害(病気になったり障害が残ったりすること)が、極めて稀ではあるものの、なくすことができないことから、予防接種法に基づく救済制度が設けられています。
新型コロナワクチンの接種についても、予防接種によって治療をしたり、障害が残った場合にこの救済制度が利用できます。
新型コロナワクチンの主な副反応は、注射した部分の痛み、頭痛、関節や筋肉の痛み、疲労、寒気、発熱などです。
まれに起こる重大な副反応としてはショックやアナフィラキシーがあります。
アナフィラキシーの典型的な症状としてはじんま疹、紅斑、呼吸困難、めまい、腹痛、下痢、意識障害などがあげられます。
アナフィラキシー(anaphylaxis)という単語は、生体の防御反応(phylaxis)の頭に反対の状態を意味する”ana”という接頭語がついたもので、特に血圧が下がってショック状態に陥ったものはアナフィラキシーショックといいます。
5月18日の火曜日は、わたしとスタッフは愛育病院にて2回目の予防接種を受けました。
2回のワクチン接種が済みまして、1週間後の5月25日には理論的には、新型コロナウィルスに対する免疫を獲得することになります。
わたしは注射した部分の痛みがありまして、スタッフの中には少し発熱がみられたものもおりました。
診療制限をしていたこともあり、翌日の診療もなんとかできました。
副反応は、ウィルスの一部のタンパク質(=スパイクタンパク質)の設計図となる物質(=mRNA)を包んでいる脂質の膜に存在するPEG(ポリエチレングリコール)という成分が原因で起こります。
ポリエチレングリコール(PEG)は化粧品に含まれている成分ですので、副反応は若い女性に出やすいと言われています。