15日の土曜日はクリニックを休診にしまして、学会に参加してきました。
先日、新潟で開催された日本産科婦人科学会もWEBでの参加となりまして、学会場に足を運ぶのは久しぶりです。
今回の学会は、第41 回東京産婦人科医会・東京産科婦人科学会合同研修会並びに第397 回東京産科婦人科学会例会という長々としたタイトルがついていますが、要は、3つの会合をひとつにまとめた学会でした。
永田町にあるJA 共済ビルまで、緊急事態宣言発令中ですが、いそいそと赴きました。
学会担当は東京慈恵会医会大学で、最初に岡本教授のご挨拶がありました。
学会場には、東京大学産婦人科の大須賀教授はじめ、諸先生方も緊急事態宣言の中、数多くいらっしゃっていました。
日本大学板橋病院産婦人科の川名教授や、日本医科大学の竹下名誉教授、東京医科大学西教授などともご挨拶ができまして、久しぶりに学会に顔を出してよかったです。
大須賀穣主任教授は、お忙しい中、わざわざ声をかけてくださいまして、鉄門ヨット部の後輩として港区で恥ずかしくない医療を提供していきたいと、強く思いました。
若手演題では「妊娠初期に広範な下肢深部静脈血栓症を発症したMay-Thurner syndromeの1例」を発表された東京慈恵会医科大学産婦人科の奥村侑子先生のご発表もなかなか頼もしかったです。
May-Thurner syndromeという単語は初めてでしたが、これは腸骨静脈圧迫症候群とも呼ばれ、血管の圧迫が原因で血栓症が起きる病気です。
もう少し詳しく説明すると、骨盤内で左側の総腸骨静脈が右側の総腸骨動脈と交叉する部分で左側の総腸骨静脈が圧排されることで血流障害が起き、血栓形成、左下肢の深部静脈血栓を起こす疾患です。
学会に向かう電車の中で、May-Thurner syndromeを予習しまして、久しぶりに骨盤の血管の走行と名称を復習できました。
若かりし頃、子宮頸がんや子宮体癌(や卵巣癌)の根治手術をしていたのが、懐かしかったです。
この病気の下肢の深部静脈血栓(DVT)に対しては、ヘパリンなどの抗凝固療法の治療が有用です。
帰り道、日枝神社にお参りして港区三田のクリニックまで歩きました。
これから少しずつ、港区で東京慈恵会医会大学の諸先生方ともfamiliarになって病診連携ができればうれしいです。
後編では、東京大学産婦人科の平池修准教授の「不正出血」についての特別講演をわかりやすく解説したいと思います。