虎の門で開催されている第40回日本エンドメトリオーシス学会に行って勉強してきました。
日本エンドメトリオーシス学会は子宮内膜症と子宮腺筋症に関する基礎医学を含め、最先端の医療が学べる国際会議です。
学会に到着すると、招請講演が始まっていました。
演題は「Risks of conservative management in women with ovarian endometriomas undergoing IVF.」
演者のEdgardo Somigliana先生はイタリア、ミラノからです。座長は東大の大須賀穣教授でした。
講演は、IVFをする不妊症の患者さまで子宮内膜症性嚢胞のある方のリスクに関する発表でした。
簡潔にまとめると、子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢腫)は4㎝から5㎝を超えると手術をした方がよいということでした。
理由は、子宮内膜症性嚢胞には4つのリスクが存在するからです。
① 排卵誘発剤による卵巣刺激に対する卵巣の反応性の低下=排卵誘発剤を投与しても卵胞が育たないということです。
② 卵胞液に子宮内膜症性嚢胞の内容液が混ざる。
③ 妊娠中に合併症が起きるリスクがある。(合併症は前置胎盤などですが、詳しくは後日書きます。)
④ 将来卵巣がんになる可能性がある。
英語の講演にて、発表ではそれぞれ、
① ovarian responsiveness to hyperstimulation is reduced but only in they are large (>4-5 cm in diameter)
② follicular fluid contamination with the endometrioma content can occur
③ higher risk of pregnancy complications
④ cancer development later in life
と表現されていました。
結論は、「The available evidence on the risks of conservative management does not support systematic surgery before IVF in women with small ovarian endometriomas.」
とのことで、わかりやすかったです。
講演終了後、会場にて座長をされていた大須賀先生などとご歓談されているところに少しだけ割り込み、頑張って質問したところ、ご丁寧に教えていただけました。
学会にて、武谷先生、藤井先生、藤原先生などにもご挨拶できました。
虎の門ヒルズ、港区に引っ越して初めて訪れましたが大変立派な建物でした。
夜は、港区医師会の新年会があったので、情報交換会には参加できずでした。
次回は、イブニングセミナーのことを書いてみたいと思います。