第36回日本生殖免疫学会総会の参加報告の第5回目です。
不育症はクリニックが力を入れている診療領域ですが、基礎医学では日本生殖免疫学会の研究領域になります。
ワークショップは以下の3つの演題が取り上げられていました。
①:「腹腔内の樹状細胞の子宮内膜症への関与」演者:泉玄太郎(東京大学 医学部附属病院 女性診療科産科)
②:「慢性子宮内膜炎を再検討する」演者:黒田恵司(杉山産婦人科 順天堂大学産婦人科学講座)
③:「産科抗リン脂質抗体症候群」演者:北折珠央(名古屋市立大学 医学研究科産科婦人科学分野)
「慢性子宮内膜炎を再検討する」の演者の黒田恵司先生は、いつもとてもアカデミックで大変わかりやすいご発表をされます。
今回も、発表終了後に何点か疑問点をプライべートな質問にてご丁寧にお答えいただきました。
ここまでは、抗リン脂質抗体症候群や不育症、着床障害について学会報告をしてきましたが、生殖免疫学の研究領域には子宮内膜症も含まれます。
子宮内膜症患者の腹腔内には様々な免疫学的環境異常を伴うことが知られています。
子宮内膜症の発症には、月経逆流血の存在が重要な役割を果たしており、腹腔内に逆流した月経血に何らかの因子が加わって子宮内膜症が発生・増悪するのではないかと考えられています。
続く第6回から、子宮内膜症の生殖免疫学がテーマである東京大学医学部附属病院女性診療科産科・泉玄太郎先生の「腹腔内の樹状細胞の子宮内膜症への関与」をわかりやすく解説させていただきます。
演題の解説は次回のお楽しみです。