1月より当院でも精密超音波外来で妊娠初期胎児超音波スクリーニング検査を開始しました。
シリーズで妊娠初期胎児超音波スクリーニング検査(胎児ドック)を解説してきました。
最後にNIPTといわれる新型出生前診断で用いられている血液検査について少し解説します。
新型出生前診断では母体の血中の遺伝子(=cfDNA:cell free DNA)を分析する手法を用いることで、21トリソミー、18トリソミーおよび13トリソミーを約98‐99%の診断制度で検出できます。
すなわち、単胎妊娠におけるこれらのトリソミーのスクリーニングについては、この新型出生前診断はその他のコンバインドスクリーニングのどれよりも優れていることになります。
新型出生前診断の欠点は比較的高いコストがかかるという点です。
単胎妊娠の1-5%そして双胎妊娠ではさらに高い確率で、初回の遺伝子(=cfDNA)による検査(=新型出生前診断)では結果が得られないことがあります。
このような場合には再検査を行うことで60-70%の確率で検査が得られます。
新型出生前診断で陽性ないしはハイリスクの結果が得られた場合には絨毛採取による侵襲検査で確定診断を行う必要があります。
勿論、当院でも羊水検査は可能です。
6回にわたりシリーズで解説してきました、胎児ドックの担当は以下の通りです。
★月曜日午前(毎週)
担当:藤井達也医師(東京大学卒、東京大学医学博士、東京大学産婦人科助教、FMF認定超音波専門医:Fetal Medication Foundation NT Certification)
★金曜日午後(隔週)
担当:中山敏男医師(東京医科大学卒、山王病院産婦人科部長・国際医療福祉大学臨床医学研究センター 准教授:日本超音波医学会指導医・専門医、日本産科婦人科学会指導医・専門医、日本胎児心臓病医学会胎児エコー専門医、FMF認定超音波専門医:Fetal Medication Foundation NT Certification)、日本乳がん検診機構乳房超音波専門医)
6月より山王病院、東大病院に加えて、愛育病院で分娩される患者さまは精密超音波検査(胎児ドック)を分娩する施設の代わりに当院で受診することもできるようになりました。
また、当院の妊婦健診を受けていない方が胎児ドックだけをご利用することもできます。
胎児ドック、ご興味のある方はメールにてお気軽にお問い合わせください。