1月より当院でも精密超音波外来で妊娠初期胎児超音波スクリーニング検査(妊娠初期胎児ドック)を開始しました。
4月より胎児ドックは山王病院産婦人科の中山医師(隔週金曜日夕方)と東京大学産婦人科の藤井医師(毎週月曜日午前)が担当しています。
それぞれの先生方は山王病院および東京大学産婦人科でも胎児ドックを担当されています。
隔週金曜日担当(夕方)
※中山敏男医師(東京医科大学卒、山王病院産婦人科部長・国際医療福祉大学臨床医学研究センター 准教授:日本超音波医学会指導医・専門医、日本産科婦人科学会指導医・専門医、日本胎児心臓病医学会胎児エコー専門医、FMF認定超音波専門医:Fetal Medication Foundation NT Certification、日本乳がん検診機構乳房超音波専門医)
毎週月曜日担当(午前)
※藤井達也医師(東京大学卒、東京大学医学博士、東京大学産婦人科助教、FMF認定超音波専門医:Fetal Medication Foundation NT Certification)
胎児ドックで、項部浮腫(NT肥厚)以外に新しく評価を行う超音波のマーカー(検査項目)としては鼻骨と静脈管や三尖弁という重要な血管や心臓の弁の血流などがあげられます。
胎児は子宮の中では胎盤から酸素を供給されているため、いわゆるへその緒(臍帯)には2本の動脈と1本の静脈が走っています。
静脈管(ductus venosus)は、臍静脈という臍帯からの静脈を下大静脈という心臓へ向かう静脈へつなぐ短い血管です。
静脈管は酸素の多い血液を胎児の脳へ優先的に送り込む重要な働きを持つ血管ですが、通常出生後は胎盤からではなく肺から酸素を供給されるように呼吸循環システムが変化するため、数分で閉鎖します。
胎児心拍数の測定も、13トリソミー、21トリソミーおよび18トリソミーの鑑別診断に有効です。
さらに、当院で出生前検査であるオスカー検査(コンバインド検査)も受けられるようになりました。
コンバインド検査(オスカー検査)は超音波検査と採血(free βhCGおよびPAPP-A)により、ダウン症などのリスクを専用のソフトウェアで解析して評価する検査です。
次回で、6回シリーズの最後の解説になる胎児ドック、ご興味のある方はメールにてお問い合わせください。