5月14日土曜日は外来診療終了後、久しぶりに会場での学会参加。
第156回関東生殖医学会は、墨田区にありますユートリヤ すみだ生涯学習センターで開催されました。
学会長は都立墨東病院産婦人科の久具宏司部長。
特別講演は慶應義塾大学法科大学院西希代子教授による「生殖補助医療の発達における「親子」」という演題でした。
ポイント解説だけすると、
①、嫡出子の父親側の認知は古代ローマの時代から不変で、現代でも民法772条などが規定しています。
②、血縁上の実子と嫡出子は必ずしも一致せず、親子関係の決定には相続権と扶養義務が伴います。
③、民法772条の規定から生じる300日問題や無戸籍児問題なども考えていかなければいけない事象です。
④、一方、母子関係は分娩が嫡出子を決定しますが、フランスの匿名出産制度の話は大変興味深く、嬰児殺や棄児を予防している赤ちゃんポストの話もタイムリーでした。
⑤、議員立法の生殖補助医療法により卵子提供や精子提供などについても細かく規定されていて、医療技術の進歩が生殖補助医療や死後生殖をもたらしましたが、これは文化により考え方が異なり場合があります。
東京スカイツリーで有名な墨田区ですが、学会終了後に近くの向島百花園まで散歩。
もう閉園となっている時間でしたが、由緒ある佇まいの門の隙間から庭園の中を垣間見まして、また機会があればゆっくり庭園を歩きたいものです。
次回は、一般演題の中から、帝京大学医学部附属溝口病院産婦人科の遠藤美波先生が演者の「子宮鏡下中隔切除術後に挙児を得た完全子宮腟中隔合併不妊の一例」をポイント解説したいと思います。
墨田区まで足を運び、久しぶりの会場での学会参加となりました。
向島百花園、興味がある方はFacebookもご覧くださいませ。
久具学会長と一般演題座長の兵藤先生とのスリーショットやこの演題の共同演者の西井先生とのツーショットも一緒にどうぞ。