10月になりました。
5回シリーズで紹介している第40回日本受精着床学会の参加報告、第4回は臨床応用に向けた生殖基礎研究のトピックスについてのシンポジウムをご紹介させていただきます。
第40回日本受精着床学会は杉山産婦人科の杉山力一理事長が学会長でした。
シンポジウムは子宮内膜と精子の2つのコンテンツで構成されていました。
子宮内膜についての演題は「慢性子宮内膜炎の分子的な病態について」と「子宮内膜の細胞シートによる再生」の2つです。
基礎医学は昔から好きな方なので、これを前編と後編の2つに分けて、まずは子宮内膜のお話をご紹介します。
最初の演題では、慢性子宮内膜炎に特異的な遺伝子を次世代シークエンサーを用いて、解析していました。
慢性子宮内膜炎では子宮内膜が妊娠に必要な脱落膜化が起きていないことがわかっていますが、治療抵抗性の慢性子宮内膜炎における特異的な遺伝子の発現を調べました。
2つ目の演題は、ネズミの子宮内膜細胞を単離して子宮内膜の上皮細胞と間質細胞に分離し、子宮内膜の細胞のシートを再生医療の技術で再構築し、子宮内膜欠損部分に再生した子宮内膜を移植して修復するという臨床研究でした。
細胞シートの研究は角膜や食道や心臓などでその移植が臨床をされていますが今後子宮内膜にも使われるかもしれません。
9月より、体外受精を行っている施設の医師の目線でみたセカンドオピニオンを聞かれたい方を対象に、不妊症セカンドオピニオン外来を開設しています。
不妊症セカンドオピニオン外来は第40回受精着床学会を主催された杉山産婦人科から堀川隆診療部長が第1火曜日午後に担当致します。
他施設に通院中で結果の出ない方も受診できますので、検査結果や治療経過を持参してご予約してください。
なお、10月は新加入のスタッフ研修がある関係で、25日火曜日午後を予定しています。