11月になりました。
2022年も残すところ、1か月と少しです。
5回シリーズで紹介している第40回日本受精着床学会の参加報告、いよいよ最終回は臨床応用に向けた生殖基礎研究のトピックスについてのシンポジウムをご紹介させていただきます。
杉山産婦人科の杉山力一理事長が第40回日本受精着床学会の学会長でした。
子宮内膜と精子の2つのコンテンツで構成されているシンポジウムの子宮内膜についての演題を前編で紹介しました。
後編では、精子の話題「NanoSuit技術を用いた精子の解析と臨床応用」と「精漿内のタンパク質の妊娠における免疫抑制作用」という演題の2つを紹介します。
NanoSuit技術は生体適合性高分子水溶液を細胞表面に塗布して被膜を形成し、細胞が乾かないようにしてその形状を正確に見るという方法です。
この技術の応用によって精子をより精緻に解析されることが期待されます。
もう一つの話は血漿と似た意味の用語の精漿の生理学的な作用についての話でした。
血液から白血球や赤血球、血小板などの成分を除いた液体成分を血漿といいますが、精液から精子の細胞を除いた液体成分を精漿と呼びます。
この中のタンパク質は子宮内の自然免疫を制御して精子の卵への受精現象に関与しています。
9月より、体外受精を行っている施設の医師の目線でみたセカンドオピニオンを聞かれたい方を対象に、不妊症セカンドオピニオン外来を開設しています。
不妊症セカンドオピニオン外来は第40回受精着床学会を主催された杉山産婦人科から堀川隆診療部長が第1火曜日午後に担当致します。
他施設に通院中で結果の出ない方も受診できますので、検査結果や治療経過を持参してご予約してください。
11月は都合により来週15日火曜日、12月は13日火曜日の予定です。