神戸にて開催された、第1回アジア生殖免疫学会の学会報告の5回目です。
今回の記念すべき第1回アジア生殖免疫学会は兵庫医科大学医学部産科婦人科学講座の柴原浩章主任教授が大会長でした。
前回の解説からの続きです。
第1回アジア生殖免疫学会(4)までで、臨床研究のデザインについて解説しました。
ざっくりと説明すると、102名の集団から、CRPが2.26mg/dlと高い1名およびネオセルフ抗体価が200U/ml以上と高い3名を除いた98名の集団で、ネオセルフ抗体と補体との相関関係を解析した臨床研究でした。
最後に結果をお話して、今回の発表の解説を終わらせたいと思います。
Conclusion: The present study revealed that complement consumption correlates with the titer of neoself antibodies in impaired implantation in infertile patients and might be a marker of implantation failure.
結論:本研究により、着床不全である不妊症患者において、ネオセルフ抗体の抗体価が上がるほど、補体の消費量は増えるという相関関係があった。
お疲れさまでした。
以上になります。
なお、英文論文は昨日、Revised versionを欧米誌に投稿しました。
ネオセルフ抗体価が高い3名の詳細などについては、すでに印刷中である、ネオセルフ抗体と血液凝固状態との相関関係についてまとめた日本語の論文の解説をする機会があれば、一緒にお話します。
スタッフ一同、英文論文も採用されるのを願っています。
次は、ネオセルフ抗体とAMHについての研究成果を6月に東京で開催される抗加齢医学会総会にて発表する予定です。
これからも、まつみレディースクリニック三田では着床不全・反復着床障害・不育症および不妊症に焦点を当てたきめの細かい医療を提供していきます。