こんにちは、看護スタッフです。
今日は不育症の原因となる子宮の形の異常についてお話します。
習慣流産、不育症の原因はお母さん側と受精卵側の2つに分けられますが、お母さん側の原因の1つに子宮の形に異常がある場合があります。
子宮は子宮頚部という子宮の出口の部分と子宮体部という子宮の奥の部分(妊娠する場所)の2つの部分に分けられます。
子宮の形に異常があることを子宮形態異常あるいは子宮奇形といいます。
子宮形態異常は子宮腔(子宮の中で胎児を育てるスペース)の変形や着床部への血液の流れが不十分になることから流産を引き起こすと考えられます。
今回はその代表的なものの中隔子宮と双角子宮についてお話しします。
中隔子宮は子宮内腔に中隔と言われる壁が張り出してきて子宮腔を左右に2分してしまう(左右に分かれてしまう)病態を指します。
不育症の患者さんの中でも多くみられる子宮奇形(子宮形態異常)です。
その中隔にも着床はしますが、流産を起こすことがあります。
子宮鏡手術(TCR)で、膣から子宮へのアプローチによって子宮の中隔のみを切除することで治療をができ、妊娠継続率は改善します。
卵管造影検査だけでなく、子宮鏡検査、骨盤MRI検査を行い、しっかり診断した上で手術を行います.
双角子宮とは子宮頚部が1つで、子宮体部が左右の2つに分かれているものを指します。
子宮の形がハート型になっていて、超音波検査、MRIなどにより診断されます。
他の子宮や膣の形態異常では、月経が来ない、月経痛がひどい、うまく性交渉ができないなどの症状がでることがありますが、双角子宮は特に症状はなく、健康診断や妊娠や他の病気をきっかけに偶然発見されることが多いといわれています。
双角子宮は必ずしも不育症の原因とはならないと考えられます。
妊娠経過や分娩も問題ないことが多いのですが、場合によっては流産や分娩時のトラブルの原因となることがあります。
「中隔子宮と言われた」「子宮の形が異常だと言われた」という方は、ご相談にいらしてください。