今日も秋葉原ARTクリニックにお邪魔しましたが、とてもしっかりと診療をされていまして、クリニックの「胚盤胞移植後の7日目のβHCG値と生児獲得率」のグラフを見せてもらいました。
hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン:Human chorionic gonadotropin)は胎盤から(正確には胎盤が形成されるまでの間は、胎児の栄養膜合胞体層という将来胎盤になる細胞)から分泌されるホルモンです。いわゆる妊娠検査薬では、尿中のこのホルモンの値が高いと陽性となります。
では、この「β(ベータ)」とは何のことでしょうか?
hCGはαとβのサブユニットから構成されてます。わかりやすく説明すると、雪だるまが頭と胴体の2つの球体から構成されているイメージです。αサブユニットはLH(黄体形成ホルモン: Luteinizing hormone)、FSH(卵胞刺激ホルモン: Follicle stimulating hormone)、TSH(甲状腺刺激ホルモン: Thyroid stimulating hormone)及びhCGの4つのホルモンで同じです。βサブユニットの違いでhCGの性質(生物学的作用や受容体との相互作用など)が決まります。
ちなみに、わたしが留学していたラボでは「common(共通の)α」と言われていましたが、これが一般的な言い方かどうかは知りません。
秋葉原ARTクリニックで見せてもらったグラフは、とても簡単にいうと「胚盤胞(着床する時期の胚のこと)移植後の7日目のβHCG値と生児獲得率(赤ちゃんが生まれる割合)」つまり、このグラフを見ると、移植後7日目のβHCG値をみれば、移植胚が成長し無事生まれるか、残念ながら流産になるかがわかるということになります。
当然のことですが、7日目の値だけで全て決まってしまうわけではなく、あくまで大体の見込みです。高くても流産してしまうこともあります。