先日、東大教育研究棟にて開催された子宮鏡研究会はエキスパートの先生方の発表が目白押しでしたが、ブログには慢性子宮内膜炎のことを書いただけでした。子宮性不妊の原因疾患を挙げただけでは物足りなく、今日は治療、特に外来子宮鏡手術のことについて書いてみます。
特別講演は慶応大学講師の増田博隆講師と高木病院の野見山真理部長はともに「外来における硬性子宮鏡による診断と手術」に関するお話でした。
これまでは、子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫などの子宮内腔の隆起性病変、アッシャーマン症候群や中隔子宮などの後天性および先天性子宮形態異常には、子宮鏡による手術が施行されてきましたが、従来は1泊2日や日帰りの入院が必要でした。医療機器の進歩、主にスコープの細径化により内視鏡手術はより低侵襲になりまして、外来手術がほぼ無麻酔で施行され始めてきています。
従来、外来では軟性鏡(胃カメラなどで皆さまがご存知の、術者により自在に曲がるファイバースコープのこと)が診断に用いられ、手術は硬性鏡であるレゼクトスコープという機器を使って、操作鉗子(マジックハンドのようなもの)をスコープの内筒に挿入し行われてきました。
わたしもこれまでに軟性鏡、硬性鏡をそれぞれ診断、手術に用いて数多く診療し学会発表などの経験もありますが、将来的には研修を経て、外来で硬性鏡にて診断も手術も行っていきたいと考えています。