日本産科婦人科学会の報告の最終回です。
シンポジウムの残り2つの演題は、①卵巣小胞体ストレスの話と②子宮内膜幹細胞と上皮間葉転換の話でした。
とても難しく、日常の臨床にはあまり関係ないので、最初の演題の小胞体ストレスという単語の説明だけ。
小胞体ストレスとは、細胞の中の小胞体というタンパク質を変化させる(=修飾させる)ところに、構造が変化した(=変性した)タンパク質が蓄積している状態を表す単語です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では、小胞体ストレス(=卵巣の細胞内の小器官に変性したタンパク質が蓄積している状態)が増加していることがわかりました。
この卵巣の細胞の劣化(=局所環境の悪化)を是正することが新しい治療法のひとつになるのではないか、という話でした。
日常の臨床に関係ないかなりマニアックなお話で失礼しました。
なお、この演題は東京大学の原田美由紀講師の発表でした。