新潟というと、自然やお米の印象がどうしても先に浮かぶ。
けれど、この県の魅力はそれだけではない。
実は工業でも全国20位くらいに入る「quietly strong」なものづくりのハブである。
たとえば、新潟の真ん中あたりに 燕三条(つばめさんじょう) がある。
東京から新幹線で2時間ほどの場所で、金属製品や工具づくりで知られる「職人の町」。
そのすぐ南にあるのが長岡。
内陸の中心都市で、精密な機械や部品をつくる企業が集まっている。
東京の人には少し馴染みが薄い地名かもしれないが、新潟の工業を語るうえで欠かせない地域として知られる。
一方で、柏崎は東京の人にも原子力発電所のある街として知られ、長岡から西へ進んだ海沿いに位置している。
ここにもエネルギー関連や機械産業が根付いていて、新潟を支える大きな柱になっている。
新潟の立ち位置はとてもユニーク。
甲信越というと内陸のイメージが強いのに、その中で新潟だけが大きな日本海を持つ「海の県」。
この「内陸グループの中の海の県」という特別なポジションが、物流の流れをつくり、工業の発展にもつながっている。
新潟は東北へ自然につながる日本海側の玄関口でもある。
北へ向かえば山形・秋田へと続き、日本海沿いの産業ラインがそのまま東北へ伸びていく。
東京の人にとっても、「北陸より東北の方がイメージしやすい」そんな感覚に寄り添う位置にある。
雪や米や山、自然や農業だけで語られる県ではない。
海を持つ甲信越の要所として、そして東北へとつながる日本海側のハブとして、静かに着実に、ものづくりの力を積み重ねてきた土地。
それが新潟のもう一つの姿だと思う。

