アジア子宮内膜症会議@台湾(ACE 2018 TAIWAN)に出席するため、成田です。
学会報告といっても、まだ学会は開催されていません。予習です。
沢山の演題があり、最新のサイエンスを学べるかと思うと、とても楽しみです。
アジア子宮内膜症会議は、アジアの主要都市で開催される子宮内膜症と子宮腺筋症に関する最先端の医療が学べる国際会議です。
ちなみに、総会の最初の演題名は、「Endometriosis-associated macrophages; defining their functions, phenotype and ontogeny」で、日本語に訳すると、「子宮内膜症に関連するマクロファージの機能・表現型・個体発生を定義する。」となります。
わかりやすく言えば、「子宮内膜症における、活性化したマクロファージという免疫を担当する細胞の機能・形や性質・発生を定義する。」です。
子宮内膜症は、骨盤内炎症性疾患であり、その病態として、腹腔内(おなかの中)では、免疫関連細胞の機能が変化して、炎症性サイトカインや増殖因子(炎症があるときに細胞同士がコミニュケーションするために産生するタンパク質)が増えていることが昔から知られておりまして、一歩踏み込んだ話ではないかと思います。マクロファージは骨髄の造血幹細胞から分化(発生)する白血球の1種です。
演者のGreaves E先生の論文を予習しましたら、「Estradiol is a critical mediator of macrophage-nerve cross talk in peritoneal endometriosis.」というのがありまして、その内容は、「腹腔内の子宮内膜症では、神経細胞とマクロファージの相互作用はエストロゲンにより強くなる。」というものです。ちなみに、「マクロファージは神経細胞が増殖するタンパク質(BDNF)を産生し、神経細胞の形成を促進しており、一方、神経細胞はマクロファージを刺激するタンパク質(CSF-1)を産生し、マクロファージの動き(migration)をよくする。」とありました。
では台湾に行ってきます