日曜日は、京橋にある長瀬記念ホールにて、今年夏に公開される「朝が来る」という映画の監督をされた、河瀬直美監督の映画祭にお邪魔してきました。
河瀬監督とは、光栄にも「朝が来る」の撮影にクリニックを使って頂いたご縁でありまして、映画祭には是非伺いたいと熱く語っていたところ、
スタッフも
「是非行ってみたい。」
とのことで、
「玄牝」はスタッフ、「殯の森(もがりの森)」は私が見に行くことになりました。
タイトルの殯(もがり)とは「敬う人のことを忍ぶ場所または時間」を意味する言葉です。
映画は、子供を事故で亡くした介護士の女性と妻を失った認知症を患う男性が、森のなかに迷い込み、互いの抱える傷と向き合いながら、絆を深め、生きる意味を考えさせてくれるストーリーでした。
33回忌の亡き妻「真子」を忍ぶ「シゲキ」が大事にしてきた「自分より大事なオレンジのリュック」を代わりに担ぎ、樹海をともに歩んでいく介護士の「真千子」、とても力強く感銘を受けました。
「There are no formal rules, you know.」、いい言葉でした。
森の土の中で眠りにつこうとする「シゲキ」を包むオルゴールの音色、バックに流れる川のせせらぎの水の音、映像とともに優しかったです。
トークイベントでは、
「カメラが介在すると意識が入るので、目で見るのとカメラを通してみるのは全く異なります。seeとwatchの違いに似てますね。」
「映画は瞬間を切り取り、重ねて、俳優の感情をプラスして、物語を作る仕事です。」
というコメントに映画監督という表現者のお仕事はとても誇らしいものであると思いました。
イベント終了後にご挨拶に伺ったところ、
「一緒に過ごした時間が懐かしい。」
と歓談されていたスタッフの皆さまは、とても若々しかったです。
これからも、素晴らしい表現者として我々をより良い世界に導いてほしいものです。
映画を見て、わたしにとってクリニックを運営していく今の仕事はとてもやりがいのある大切な仕事ですが、
「余裕ができたら、また、当直してお産が取りたい。」
と、強く思いました。
河瀬監督とスタッフの皆さまとの写真は、宜しければFacebookもご覧くださいませ。