当院はこの夏公開される「朝が来る」という映画の撮影の舞台になりました。
光栄にもかつてカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞された河瀬直美監督からのご依頼でした。
その作品が早く公開されないかな、と心待ちにしておりましたが、ちょうど年末から1月19日まで今まで公開された河瀬監督の映画祭が京橋であるということで、是非と思い、行ってまいりました!
河瀬監督作品を拝見するのは初めてです。
「玄牝」という老子の言葉を題名にした映画です。
女性を神秘的に比喩した題名ですね。
内容は自然分娩を推奨している吉村先生という方の医院をクローズアップしたドキュメンタリー映画でした。
作品中では妊婦さんの300回のスクワットや臨月の妊婦さんの薪割りシーンには衝撃を受けましたが吉村先生の指導の元、出産に対し不安が多い妊婦さんが少しずつ前向きに変化していく表情や心情はスクリーンを通して胸に迫るものがありました。
また、江戸時代と現代を比べ生活環境が妊婦さんの分娩に影響するという台詞も印象的でした。
産婦人科を舞台にしておりますが生と死という大きなテーマもあり、最後の河瀬監督と内田也哉子さんのトークセッションからは私自身も死生観を見つめ直しました。
藝術は観ている方に1ミリでも先に何か伝わるものがあればよい、という監督の言葉が印象的で感性を大事にする監督らしいと思いました。
最新作の「朝が来る」の公開が今から楽しみです。