私の記憶がないだけなのかもしれませんが、0歳時に本を読んでもらったかの記憶はありません。
母は読んでくれていたと申しておりました。
後から振り返って記憶があるものか分からないようなことが、とても大切なことだと最近知り驚きました。
0歳児からの本の読み聞かせは「読む」というよりかは読み手(大人)と一緒に過ごす時間に意味があるそうです。
このことを知ったときは、人は心と心の繋がりが成長に大きく影響すると感じました。
言葉が持つ単純な音だけでなく、言葉にきちんと心がのせられた音のパワーはすごい力です。
エピソードのひとつに生後4か月のお子様がお昼も夜も眠ってくれずにいたところ、絵本を子守唄のように読むと寝てくれてお母様もホッとされたことがあるそうです。
現在はスマートフォンからカラフルな画像やユーモアのあるメロディーがすぐに出る時代で、お子さんとスマートフォンだけでも一時的な子守りとしては成り立つ時代になりました。
しかしながら絵本の読み聞かせは傍に読み手がいないと成立しないので、それだけに親子の絆が生まれるのだと思います。
先日、当院にいらした診察中のママをパパと3歳くらいのおんなのこのお子様が絵本を読みながら楽しく会話されていたのが、なんともいえずに可愛らしくて微笑んでしまいました。
本にいっぱいに描かれた30種類ぐらいのパンを指さして、
「パパはどのパンがいい?」
と女の子が質問すると
「パパは天狗パンとだるまパンがいいな」
とパパが答えます。
絵本の中のパンを両手ですくってパパに差し上げるしぐさが何とも言えずかわいらしかったです。
「パパはい、どーぞ。」
たまに
「このパンはダメー」
と言って本当に怒るしぐさもまたたまらなくかわいらしかったです。
無意識に想像力までも鍛えているのだなあ、、、としみじみしました。
電子書式も主流の現在、デジタルな時代も味わいつつ紙媒体の本のある生活や電話も私は個人的には好きです。