10月28日にお茶の水にて開催された東京大学産科婦人科学教室主催の東大病院との病診連携の会の参加報告の続きです。
研究会のオープニング・クロージングリマークスは准教授の廣田泰先生が担当されていました。
大須賀穣教授の研究グループが発表された論文のうち、今回の研究会と関係のあるものが各人の座席に配布されていました。
そのうちのわかりやすいものをご紹介したいと思います。
①、Clinical aspects and management of inguinal endometriosis: A case series of 20 patients
この論文は2019年に論文発表されたもので稀少部位子宮内膜症のひとつである鼠径部子宮内膜症についての臨床研究です。
稀少部位内膜症である鼠径部子宮内膜症は,これまで外科的切除による治療よる症例報告はあるもの内科的治療の報告は極めて少なく、また、体系的に治療効果を解析した論文として大変価値があると思います。
論文では、東大病院で治療した20例の鼠径部子宮内膜症を解析しています。
患者背景は75%の患者が右側の鼠径部子宮内膜症で、94.4パーセントの患者の病変にMRIで有効な画像診断が得られていました。
外科的治療を受けた6人のうち、1人の患者は病気の再発がありました。
経口避妊薬は4例中1例でしたが、ジェノゲストは7例中6例の患者で、重大な副作用を起こすこともなく、子宮内膜症による痛みを改善しました。
論文中の結論には、「Inguinal endometriosis can be managed with radical surgery to resect lesions including the round ligament and with hormonal treatment. In particular, dienogest ameliorated symptoms, which can be an option for patients who do not want surgery. 」とありました(一部改変)。
当院では、婦人科良性疾患の手術療法(外科的治療)が必要な場合には、東大病院を含め、患者さまに最適な病院をオーダーメードで迅速にご紹介させていただいております。
手術をお考えの患者さまは【初診(月経異常・月経困難症)】の予約枠に手術希望のコメントを入れ、ご予約ください。
大変ありがたいことに、当院は同窓の東京大学産科婦人科教室とは特別に密接な医療連携を構築させていただいてます。
お知らせにあるように、当院からのご紹介による東大病院での外来の初診予約を含めた手術までの待機時間は大幅に改善されました。
当院からのご紹介による東大病院での手術までに要するおおよその期間は電話にてご確認ください。
若手の先生方との集合写真、甲賀先生、廣田先生とのスリーショット写真は宜しければFacebookもご覧くださいませ。