こんにちは。
今回は、新型コロナウイルスによる外出自粛や社会との関りが減少している今、問題となっている周産期メンタルヘルスについてお話したいと思います。
メンタルヘルスとは、精神疾患の有無ではなく、妊産婦が安心して生活を営み、ほどよく十分な愛情をもって子供と向き合うことができる心の状態を意味するといわれています。
約10カ月間の妊娠期間を終えて待望の我が子との出会い、そして子育てをしながら親子共々成長していく。
周産期は楽しくとても幸せな時期である一方、さまざまなストレスや不安を感じる時期でもあります。
メンタルヘルスケアが必要な妊産婦の数は、全国で年間約4万人(全妊産婦の4割)いるといわれ、妊産婦死亡率も大幅に高くなっています。
「マタニティブルー」は出産直後の女性に大変多く見受けられる症状で、個人差はありますが大抵は2~3日間(最長2週間)で軽度のうちに回復します。
それに対して「産後うつ」は、2週間を超えても持続するため、生活や育児に大きな影響を及ぼし自殺や虐待のリスクが上昇します。
妊娠・出産を契機に生じる母のメンタルヘルスの問題は、育児不安にとどまらず、母性の喪失、育児ノイローゼ、育児放棄、児童虐待に直結します。
乳幼児期の体験は、子供の脳の発達にも影響するといわれており最悪のケースでは自殺、心中などにもつながりかねず、現状は待ったなしの深刻な問題となっています。
現在の周産期医療は、母と子の「命」だけではなく「心」を守ることにも目を向けていく必要があり、自治体ごとに様々な取り組みも行われています。
コロナ時代の今こそ母子共々安心安全な生活が送れるよう、少しでも不安や心配事がある際は躊躇せず、相談できる誰かに話すことが大切です。
今悩んでいるあなたが、健やかな気持ちで周産期を過ごせますように。