まつみレディースクリニック三田

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アジア子宮内膜症会議 (8)

台湾の学会(ACE 2018 TAIWAN)の報告、もう少し基礎的な演題の話。

わたしが、質問させていただいた発表は、「Analysis of DNA Methylation Level of Progesterone Receptor Gene (PR-B) and it’s Implication on Their mRNA Expressions at Peritoneal Endometriotic Tissue, Eutopic Endometrium and Menstrual Blood in Endometriosis Patient」というタイトルの演題で、先日お話した遺伝子のエピジェネティックな変化の話です。

 

 

簡単に実験の原理をお話すると、遺伝子(正確にはゲノムDNA)を薬品で処理したのちに、ゲル(寒天のようなもの)を用いて電気の力で分離します(電気泳動)。

 

原理をもう少し詳しくお話すると、物質は力を加えると動きますがスピードは重さと力のバランスにより決まります。電気泳動の場合、物質はすべて電気を帯びているので電力により引っ張られ移動しますが、重さ(DNAの大きさ=長さ)の違い(細かくいうと引っ張られる力も違う)から動く距離が変わります。

 

DNAがメチレーション(Methylation;メチル基というメチルアルコールの一部が遺伝子につくこと)により変化していない場合、薬品で処理するとメッセージの文字が、C(シトシン)からU(ウラシル)に変化します。一方、変化している場合、文字はmC(メチル化されているシトシン)のままです。

 

暗号の文字に合う(相補的な)DNAを用いると、結果的に色がついた線(バンド)としてその遺伝子(DNA)が認識されます。文字が異なると、相補的なDNA(プローブといいます)が引っ付かないのでバンドが検出されません。

 

わかりやすく説明すると、このような原理を用いて調べた結果、腹膜の子宮内膜症の組織(peritoneal endometriotic tissue)の子宮内膜細胞のプロゲステロン受容体遺伝子は月経血中(menstrual blood)の子宮内膜のものと比べてDNAのメチレーションのレベルが高いという報告でした。

 

研究の実験手法の原理と結果の一部のみをわかりやすく書いたつもりですが、専門用語が多くて脳が疲れたと思う方は、気分転換にこんにゃくをどうぞ。口を動かすとストレス解消になります(この話はまたの機会に)。

 

こんにゃく、ゲルです。お疲れさまでした。台湾の話もそろそろお腹いっぱいです。

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