先日、足底筋膜炎がなかなか治らないので、ついにステロイドを注射してきました。
お世話になったのは、アットホーム表参道クリニックの腰塚裕院長先生です。
「2週間から4週間は効きますが、また痛くなったら来てくださいね。」とのこと。注射をして、1週間ですが痛みは少し取れてきました。
「自分の身体のことはある程度自分で調べよう。」と思いまして、足底筋膜炎に対するステロイド投与に関する論文を斜め読みしてみました。
インドのDavid JAという著者は、足底筋膜炎による踵の痛みにステロイドを投与することに関してのレビュー論文を書いてました。
論文は「Injected corticosteroids for treating plantar heel pain in adults.」というタイトルです。（39本の臨床研究論文のまとめで、全体の症例数は17か国で、2492人に及びます。）
足底筋膜炎からくる踵の痛み「Plantar heel pain, commonly resulting from plantar fasciitis.」の治療には、いくつかのオプションがあります。①ステロイドの入っていない炎症を抑える痛み止め②装具③理学療法④体外衝撃波療法⑤ステロイドの注射です。
「Treatment options include nonsteroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs), orthoses, physical therapy, physical agents (e.g. extracorporeal shock wave therapy (ESWT), laser) and invasive procedures including steroid injections.」と論文中にはありました。
「We found low quality evidence that local steroid injections compared with placebo or no treatment may slightly reduce heel pain up to one month but not subsequently.」
ステロイドの投与は1か月（4週間）痛みを軽減するようですが、そのあと痛みがずっと取れるかどうかはわからないとのこと。
この有効性に関するエビデンスレベルは低く、効果を検証するためには更なる臨床研究が必要なようです。
論文には「Further research should focus on establishing the effects (benefits and harms) of injected steroids compared with placebo for treating plantar heel pain.」と書いてありました。（一部改変）。
ちなみに、「dry needling = 日本でいう鍼にあたりますが、調べてみるとドライニードリングという単語も鍼とは別に存在します」という治療法もあるようでして、この単語は初めて聞いたのでせっせっと論文を引いて斜め読み。
イランのRastegar Sという著者は、「Comparison of dry needling and steroid injection in the treatment of plantar fasciitis: a single-blind randomized clinical trial.」という論文を発表していました。論文中には「Dry needling is proposed as a new modality of treatment recently.」とあります。
methylprednisolone acetate（1ml 中に40mg のmethylprednisolone acetate：メチルプレドニゾロン＝ステロイド）とdry needling（鍼）を比較した結果、1年間追跡してみるとステロイドの注射は3週間という早い期間で痛みを軽減するようですが、最終的つまり1年後にはdry needlingの方が痛みを軽減するとありました。
「両者を比較するとステロイドの注射の方が足底筋膜炎の痛みを急速に軽減するが長い期間で考えるとdry needling（鍼）もより満足のできる治療である。」
との結論です。
論文中には、「Steroid injection can palliate plantar heel pain rapidly but dry needling can provide more satisfactory results for patients with plantar fasciitis in the long term.」 とありました。
ただし、2つの論文は価値が異なりまして、最初の論文は、症例数が2000以上、もうひとつのはわずかに60です。
まあ、2つとも、結論には大差がないようです。
いずれにしても、早く足の痛みが取れてしっかりと歩けて、テニスができるようになるといいなあ。
