妊娠中に血糖が高くなること(糖代謝異常)には、「妊娠糖尿病」と「糖尿病合併妊娠」があります。
「妊娠糖尿病」は、妊娠中に発見または発症した糖尿病ほどではない軽い糖代謝異常です。一方、「糖尿病合併妊娠」とは、糖尿病といわれていた方が妊娠した状態です。
糖代謝異常というのは、すい臓で作られるインスリンという血糖を下げる働きがあるホルモンの量や働きが不十分となり、血糖の調節がうまくいかなくなった状態です。
妊娠すると、胎盤からでるホルモン(ヒト胎盤性ラクトゲン:Human placental lactogen :hPL あるいは ヒト胎盤性乳腺刺激ホルモン:human chorionic somatomammotropin:HCS=成長ホルモンと構造が似ているホルモンです。)の働きでインスリンの働きが抑えられるため、妊娠していないときと比べてインスリンが効きにくい状態になり、血糖が上がりやすくなります。
このため、妊娠中、特に妊娠後半は(胎盤が大きくなるので)、高血糖になる場合があり、一定の基準を超えると妊娠糖尿病と診断されます。
妊娠糖尿病の診断は、主に血液検査で行われますが、血糖の血液検査には①通常の血糖検査と②糖分の入った検査用のジュースを飲んで血糖を検査する方法(ブドウ糖負荷検査)があります。
ちなみに、ブドウ糖負荷検査には、①50gグルコースチャレンジテスト、②75gブドウ糖負荷試験があります。
当院では、ガイドラインに従い、妊娠初期の随時血糖と、中期の50gグルコースチャレンジテストで糖代謝異常のスクリーニングを行います。
【ここからお知らせです。】
愛育病院との医療連携により、愛育病院にて50g グルコースチャレンジテストが受けられることになりました。
(勿論、当院でも50g グルコースチャレンジテストの検査を受けることも可能です。)
今回の医療連携によりまして、当クリニックにおける妊娠された方に対する医療体制は、ほぼ整備されました。