日本産科婦人科学会の報告(1)です。
沢山の演題がありましてどれも大変勉強になりましたが、今勉強したいと思っている不育性の話のご紹介です。
2日目のランチョンセミナーは慶応義塾大学をご卒業の杉先生の不育症に関するご講演を選択。
不育症の診断と治療の歴史から始まりまして、大変アカデミックな内容でした。
不育症の患者さんに、随分昔のことですが、わたしが東大で働いていた頃によく行われていた「夫リンパ球輸血」治療の話なども紹介されまして、医療は進歩していることを実感しました。
血液を凝固させる因子(第Ⅻ因子、プロテインSなど)の欠乏は、これらに対する自己抗体の産生によるところも大きいとのお話でした。
自己抗体を介した「angiogenesisの破綻」が、不育症、着床障害の新しい仮説のようです。
この血管新生機能の破綻は、妊娠高血圧症候群(昔の妊娠中毒症)や胎児発育不全の原因のひとつにもなっているとのことでした。
最後に血液凝固の研究で有名な小林隆夫先生(ブログ参照)もコメントされていましたが、次先生は現在もクリニックに付属の研究室にて、臨床研究をされていまして、研究を支えている実験助手の方の映った最後のスライドがとても印象に残りました。