まつみレディースクリニック三田

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日本産科婦人科学会 (2): 不育症とビタミンD (その1)

名古屋で開催された日本産科婦人科学会に参加して勉強してきました。
どの演題も面白かったですが、一番興味が持てたのはシンポジウム2の「妊孕性改善と生児獲得を目指したpreconseption care(プレコンセプションケア) 」についての4題です。

ちなみ、preconception は conception=おなかの中に新しい命をさずかること、の前の状態のことをいいます。
最初の演題は「生殖医学における新規栄養代謝バイオマーカーを基盤とした妊孕性改善の試みーpreconseption careのエビデンスの確立に向けてー」でした。

バイオマーカーとは、人の身体の状態を客観的に測定し評価するための指標となるタンパク質などのことを指します。

とってもわかりやすくまとめると、「不育症の患者さんにおけるビタミンD」に関しての講演です。

最近、院長のブログはとても難しいとのことなので、可能な限りわかりやすくお伝えできるように、注釈をつけて、何回かに分けて書いてみます。

妊娠はするものの、流産、死産、新生児死亡などを繰り返してしまう状態のことを「不育症」といいます。
不育症の中には、リスク因子があるために流産(や死産)が起こりやすくなる方がいますが、
不育症のリスク因子として
①子宮の形態の異常
②内分泌の異常:甲状腺機能の異常、糖尿病など
③凝固機能の異常:抗リン脂質抗体症候群、凝固因子欠乏症など
④夫婦いずれかの染色体異常など
があげられます。

今回はこのうちの③の項目に関しての話です。

免疫を担当するリンパ球には、①T細胞、②B細胞、③ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の3種類がありまして、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、主に自然免疫に関与し、この細胞の活性(NK活性:エヌケー活性)が自然免疫力を表します。

不育症の方はこのナチュラルキラー細胞の活性(NK活性:エヌケー活性)が高いことが知られています。
NK活性が高いと炎症性サイトカイン(炎症が起きるときに細胞が伝達するタンパク質)が増えます。
炎症性サイトカインが高いと、それによって微小環境における血栓の形成が促進することから、この微小環境における血流量が減り、わかりやすくいうと赤ちゃんへの血流量が減ります。

繰り返してまとめますと、不育症の患者さんは①自然免疫に関するNK細胞の活性が高く②微小環境において炎症性サイトカインを介して、③血栓が形成され流産に至るということです。

ビタミンDのお話は次回です。

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