遅くなりました。
日本産科婦人科学会の学会報告の続きです。
ランチョンセミナーには、子宮内膜症に対する漢方療法の講演もありました。
演者は鳥取大学の原田省先生、座長は東京大学の大須賀穣先生でした。
内容を簡単にお話しすると、
子宮内膜症になるネズミを作成(モデルマウス)し、そのネズミに漢方薬を投与した結果、
①マウスは痛みを感じる程度が減少し、痛みの原因となる物質(プロスタグランジン)の分泌に関係する酵素(PTGS2)の量が減少していた。
②子宮内膜症の病巣の数と重さが減少していることと炎症を伝えるタンパク質(サイトカイン)のひとつであるIL-33が減少していた。
一般的に、漢方薬に関する研究、特に論文は少ないです。
臨床の現場でも、月経困難症に漢方薬を処方することはよくありますが、子宮内膜症の痛みが取れるメカニズムのひとつが理解できまして大変勉強になりました。