妊娠中の貧血についてお話しします。
妊娠すると、母体の体重が増加し、胎児の血液を確保しょうとするので、血漿量(液体成分)と赤血球量をあわせた血液量がアップします。
赤血球量の増加よりも液体成分の血漿量の増加の方が多いため、血の量は増えますが、血液は薄まった状態になり、貧血のように見えるようになります。濃度が薄くなるイメージです。
これは妊婦の生理的現象ですが、妊娠前から貧血気味の人は、妊娠初期から鉄欠乏性貧血を発症することが多く、また普段は貧血ではない人も妊娠後期になると発症することがあります。妊娠中の貧血症例の約95%は,鉄欠乏性貧血とされています。
鉄欠乏性貧血になると、
・疲れやすい
・動悸
・息切れ
・めまい
・立ちくらみ
・頭痛
といった症状があらわれます。
発症した場合、鉄剤【フェロミアなど】が処方されます。鉄の吸収を阻害するタンニンの含まれる紅茶などの摂りすぎにも注意しましょう。