先日は港区産婦人科医会主催の第13回みなと女性医療カンファレンスに出席してきました。
最初の演題は「NIPTの現状と今後」でした。
NIPT(non-invasive prenatal genetic testing :新型出生前診断)の原理は母体血液中に存在する赤ちゃん由来のDNA(正確にはDNA断片)を解析して、赤ちゃんの染色体異常などを調べる検査です。
1997年に母体血液(血漿)中に、胎児のDNA(Cell-free fetal DNA)の存在が報告され、新しい医療に応用されるようになりました。
医学の進歩に出来る範囲でついていきたいものです。
日本語訳は、無侵襲的出生前遺伝学的検査で、従来の非確定的検査(母体血清マーカーやコンバインド検査)より早い妊娠10週以降から受けることができるところが大きな利点です。
日本では、35歳以上の高齢妊娠の方や、過去に染色体の数の異常(特に、21 trisomy(=Down Syndrome)、18 trisomy、13 trisomy)のお子さんを妊娠されたことのある方、超音波検査で胎児に染色体の数の異常が疑われる方などを対象に行われております。
現在、日本では、胎児の13番、18番、21番染色体の数についての診断がなされていますが、将来的には、胎児の性別診断、(RhD陰性の妊婦での胎児の)RhD血液型診断、(胎児の)単一遺伝子の異常により起きる遺伝病の診断が可能です。
大変精度の高い血液検査ですが、羊水検査や絨毛検査と異なり、いわゆる非確定検査という位置づけです。
正式に認可されていない産婦人科医のいない施設などでも検査が行われているという問題があります。
現在は当院からは提携病院にご紹介して検査を受けることが可能ですが、将来的には当院のようなクリニックでも検査が可能になるかもしれません。