受精着床学会の学会報告の続きです。
といっても、残念なことに抄録集の予習からのネタですが、、。
特別講演は「第三者の関わる生殖医療(提供型生殖医療)の法的課題」というタイトルで、立命館大学法学部の二宮教授のご講演でした。
提供型生殖医療で、日本で普及しているのは、DI(donor insemination)です。
DIは、以前は、AID (artificial insemination of donor)と呼ばれていました。
無精子症やDIのことに関しては、過去のブログもご参照ください。
生物学的に自分たちの血縁がある子をもうけることができないカップルにとっては、提供型生殖医療はひとつの選択肢となりうるが、
①、生まれてきた子供に出自を告知する責務を守ることが大切で、
②、提供者も誕生後の子供の成長に少しでも関わることができれば、提供したという行為に対してより尊厳を保つことができるのではないか。
と、締めくくられていました。
もう一つは、「文化人類学からみた生殖医療における同意とアイデンティティー」というタイトルで、島根大学法文学部の出口教授のご講演。
イギリス、イスラエル、韓国という3つの異なる国々での死後生殖の話でした。
抄録を読んでみて、死後に配偶子(精子や卵子)を用いた生殖医療を行うことは、脳死ドナーからの臓器移植よりもよりcomplicateな問題を伴う医療であると思いました。