4月に発令されました緊急事態宣言もうようやく解除された6月、久しぶりに研究会に参加させていただきました。
緊急事態にて集会は避ける必要があるため、日本産科婦人科学会を始め、日本再生医療学会などの学会が次々とWEB開催になりました。
生殖発生医学会は大変残念なことに中止。
演題を発表予定だった6月に開催予定の国際学会も中止になりまして、発表はモントリオールから来年のエジンバラに持ち越すつもりです。
さて、今回の研究会は、学生時代の鉄門ヨット部の頃から大変お世話になっている東京大学産科婦人科教室の大須賀穣教授がご講演されるという情報を入手。
「3密」は避ける方がよいとのことで、限定10名のクローズド(closed)の研究会で、講演の内容はWEB配信されるとのこと。
急ぎ参加を申し込んだ甲斐もあり、大変ありがたいことに先着10名の中に潜り込むことができました。
座長は順天堂大学の北出真里教授です。
ご講演のタイトルは「月経困難症治療の新時代」で、月経困難症に対する新たな治療戦略についての格調高い講演会でした。
ご講演の前半は月経困難症についての総説でした。
遺伝子変異から、歴史、経済、社会、医師のあるべき姿まで、幅広くtopicが展開されました。
ご講演の後半は月経困難症に対するディナゲストの服用のメリット、デメリットについて、大須賀教授らのグループがacceptされた英文論文や海外のガイドラインなども多数盛り込んだ内容でした。
東大教授のご講演だけあり、アルファベット、とても多かったです。
わかりやすく説明すると、ジエノゲスト(商品名ディナゲストの有効化学成分)には低用量ピル(LEP)と異なり、女性ホルモンの成分が含まれないので、エストロゲンによる血栓症のリスクがないことが最大の利点です。
従いまして、40歳以上や肥満傾向、喫煙習慣があり、血栓症のリスクが高い患者さまには、低用量ピル(LEP)よりも安全に投与できる薬剤であると言えます。
一方、この薬には不正出血が起きることがあるというデメリットがあります。
ジエノゲスト(商品名ディナゲストの化学成分)は、炭素(C)が20個からなる構造(構造式:C20H25NO2)をしています。
プロゲステロン受容体に結合して、卵巣機能や子宮内膜の細胞の増殖を抑えることにより、月経困難症に対して有効性を示すと考えられています。
ちなみに、①異常な性器出血のある方、②妊婦又は妊娠している可能性のある女性、③本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、④高度の子宮腫大又は重度の貧血のある患者さんには禁忌(=使用できない)です。
禁忌、英語でcontraindicationです。
ご挨拶もかねてフロアから質問しましたが、丁寧に解説してくださいまして、とてもうれしかったです。
ちなみに、「3密」は英語では「3Cs」で、①closed spaces, ②crowded places and ③close-contact settings の頭文字。
英語の勉強も出来まして、大変有意義な研究会(conference)でした。
Womens Health Care Meetingでの大須賀教授とのツーショット。
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