まつみレディースクリニック三田

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低用量ピルの話:スタッフブログ (177)

みなさん、こんにちは。

一般的にピルと呼ばれているエストロゲンとプロゲステロンの配合剤ですが、中用量ピルと低用量ピルに分けられます。

 

プラノバールなどの中用量ピルは、保険適応では不正出血の治療に用いられ、自費診療では月経移動などに用いられています。

低用量ピルはOC/LEPと表現されていますが、避妊目的で処方されるマーベロン・ラベルフィーユは自費のお薬でOCに分類され、月経困難症やPMSに対して保険適応で処方されるヤーズ・ルナベル(フリウェル)・ヤーズフレックスはLEPに分類されます。

 

現在LEPでは、連続投与が可能なヤーズフレックスが多くの病院で処方されるようになってきており、当院でも月経困難症に悩む多くの患者さんが内服しています。

そこで、なぜ月経困難症・PMSの治療には連続投与が望ましいのかというお話ですが、①初経の低年齢化②少子化③晩婚化といったことが現代女性の社会的背景としてあり、これらは月経回数の増加につながっております。

また、月経回数が増加するということは、エストロゲン作用の増加や骨盤内の月経血量が増加につながり子宮内膜症のリスクが上がります。

 

子宮内膜症の原因には月経血逆流説(卵管を通じて月経血が骨盤腔に逆流すること)があることがわかってきております。

逆流を防ぐことで内膜症のリスクが低下する、つまり、ヤーズフレックスを連続投与し月経回数を減らすことが出来れば、子宮内膜症の予防・治療になるということです。

子宮内膜症は不妊の原因にもなるため、結婚し子どもが欲しい状況になるまでLEPを内服することが望ましいです。

 

ちなみに余談ですが、かつて女子サッカーの日本代表として活躍したある有名スポーツ選手は、月経困難症であったことと競技に集中したいという理由から、現役時代はずっとLEPを内服していたそうで、引退してまもなく結婚をし、挙児希望が出てきたためLEPを止め、その後すぐに妊娠をし、現在は一人の母親として育児に奮闘しているそうです。

 

OC/LEPはいつまで内服してもよいのか…という話ですが、これにはOC/LEPの副作用にある静脈血栓塞栓症(VTE)が大きく影響しています。

VTEは加齢とともにリスクが上昇することがわかっています。

ガイドラインでは、『健常女性で閉経移行期まで内服することができるが、40歳以上の未閉経者では慎重投与とし、閉経以降あるいは50歳以降では投与しない(C)』『習慣的喫煙者は35歳以上で服用を原則不可とする(B)』と記載されています。

WHOは、OC/LEPは初経から閉経まで処方できる。

すなわち40歳以上では加齢以外に心血管系障害を高める臨床所見(習慣性喫煙・高血圧・糖尿病)を認めない場合は、慎重に投与を続けてよいとしています。

また、ピルには卵巣がんや子宮体がん、大腸がんの減少といった利点もあるため、心血管系のリスクがなく喫煙をしていなければ、40歳以上の女性においてもOC/LEPの内服継続を検討してもよいと考えられるようになってきています。

 

当院で処方するピルは現在LEPのみですが、安全に処方するために、当院では採血も定期的に行っております。

OCについては、オンライン診療の場合のみ対応できますように、院長先生が準備中ですので、また、処方できるようになればお知らせしますね。

 

月経困難症やPMSが克服できれば、日常生活におけるQOLの向上、仕事パフォーマンスの向上そして女性のさらなる社会進出の支援につながると考えております!!

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