10月も後半になりましたが、9月の最後の週末に浜松町で開催された第20回日本抗加齢医学会の学会参加報告です。
三田から浜松町コンベンションホールまではすぐでした。
25日の金曜日に開催された産婦人科に関するシンポジウム「周閉経女性の初期対応」では、2番目の「早発卵巣不全における新規のバイオマーカーとしてのd-ROMs、BAPテストの可能性」という演題が興味深かったです。
演者は国際医療福祉大学病院産婦人科・リプロダクションセンターの柿沼敏行先生でした。
早発卵巣不全とは過去ブログ(2020年5月16日)でも解説していますが、40歳未満の早い時期に卵巣の機能が低下して、無月経(=続発性無月経)を引き起こす病態で、不妊症や無月経による低エストロゲン状態が骨粗鬆症などの原因にもなります。
近年の晩婚化の影響で、早発卵巣不全による不妊症の患者数は増加傾向にあります。
早発卵巣不全の卵巣は線維組織に置き換わっており、残念ながら、通常、ゴナドトロピン製剤(=卵胞刺激ホルモン:FSH)を用いても卵巣が反応せず、卵胞が発育しません(=卵が育たない)。
従って、早発卵巣不全を予知することができる指標が新たに見つけられれば、治療に応用できることが期待されています。
d-ROMsは血液中(=正確には血漿中)の「酸化ストレス」を、それに対してBAPテストは「抗酸化力」を表してます。
「酸化ストレス」とは、生体において「酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ、酸化状態に傾き、(生体に)酸化的障害を起こすもの」のことです。
正確には、血液中のヒドロペルオキシド(R-OOH:活性酸素・フリーラジカルにより酸化反応を受けたタンパク質やタンパク質を構成するアミノ酸などの総称)の濃度を測ります。
これは、生体内の酸化ストレス度を総合的に評価したもので、酸化ストレス度の指標(=マーカー)となります。
人間の血液中には、活性酸素・フリーラジカルに対抗する抗酸化物質が多く存在します。
ちなみに、血液中にある(=内因性の)抗酸化物質に対して、外因性抗酸化物質としては、赤ワインに含まれるポリフェノールなどが有名です。
BAP(Biological Anti-oxident Potential)は、血漿中抗酸化物質が活性酸素・フリーラジカルに電子を与え、酸化反応を止める還元能力を計測し、抗酸化力を評価するものです。
前置きの話が随分長くなったので、続きは次回です。
来月11月には、ボージョレ・ヌーヴォが解禁されます。
ボージョレ・ヌーヴォの解禁日は、毎年11月の第3木曜日、従いまして、ちょうど、来月の今日、19日の0時に解禁となります。
赤ワイン飲んで、抗酸化力アップして、アンチエイジングしたいものです。