抗加齢医学会の参加報告は、ボージョレ・ヌーヴォの解禁のお話の続きからでしたね。
17日の金曜日は久しぶりに楽しくみんなで日本酒を(10月17日のブログ参照)、19日の赤ワインは休日のお楽しみに。
ワインからポリフェノールもしっかり摂取しまして、アンチエイジングも頑張りたいところです。
さて、本題。
抗加齢医学会の産婦人科に関するシンポジウム「周閉経女性の初期対応」の中で最も興味が持てた「早発卵巣不全における新規のバイオマーカーとしてのd-ROMs、BAPテストの可能性」という演題の解説の続きに入ります。
簡単に説明すると、血液中の酸化ストレスおよび抗酸化力の指標となる物質が、早発卵巣不全という卵巣の機能が低下した病態を予知するマーカーとなりうるかを検討した演題でした。
もう少し詳しく説明すると、今回の臨床研究では卵巣機能を血液中および卵胞液中の酸化ストレス(d-ROMs)の程度と体内の抗酸化力(BAP)で評価できるかを検討しています。
患者さんを正常な集団、卵巣機能が衰えてきている(=初期の卵巣機能不全の)集団、早発卵巣不全の集団の3つのグループに分けて検討した結果、正常な集団、初期の卵巣機能不全の(=卵巣機能が衰えてきている)集団、早発卵巣不全の集団の順番、すなわち、卵巣機能が悪くなるに伴って、血液中のd-ROMsは高値であるという結果が得られました。
一方、自然周期による体外受精において得られた卵胞液中でも同じように、d-ROMsおよびBAPを3つのグループにおいて測定し、卵が受けている酸化ストレス(d-ROMs)と卵胞液の抗酸化力(BAP)を比較検討していました。
その結果、興味深いことに卵胞液中の酸化ストレス(d-ROMs)と抗酸化力(BAP)は、この3つのグループを比較すると血液中とは異なる傾向が認められました。
まとめますと、早発卵巣不全には酸化ストレスも関与しており、d-ROMsおよびBAPがこの病態の早期発見の手掛かりとなりうる可能性が示されました。
学会場に折角、足を運んだので、頑張ってフロアーから質問したところ、柿沼敏行先生はご丁寧に解説くださいまして、より深く内容を理解することができました。
詳しい内容を教えてほしい方は、当院の不妊ドックや不妊外来を受診くださいませ。
当院のアンチエイジングの診療メニューの白玉点滴や高濃度ビタミンC点滴などの点滴療法は、おかげさまで大変ご好評を頂いております。
今後は、アンチエイジングドック・がん遺伝子検査など予防医療の分野も少しづつ拡張していく予定です。
抗加齢医学会専門医の資格更新も無事できそうで、大変有意義な学会参加でした。