月曜外来担当の上原です。
まつみレディースクリニックの外来に出ていない日は、主には大学院で研究をしています。
というと、偉そうですが、私は大学院の学生なので、研究をしている、というよりは、研究のやり方、考え方を学んでいるといった方が正確かもしれません。
何を研究しているのかといえば、、
卵巣の老化を食い止める方法を探すべく、卵巣内の酸化ストレスをテーマに研究しています。
「酸化ストレス」。。
言葉からしてなんとなく良くなさそうなイメージですが、耳慣れない言葉かと思います。
身体のサビと言われたりもするようですが、ここで簡単に、酸化ストレスについて説明させていただきます。
ヒトを始め多くの生物が酸素を取り込んでエネルギーを作り出しています。
生命維持のために必要な酸素ですが、エネルギーを作り出す過程で、非常に他の物質を酸化させやすい物質である活性酸素も作られます。
活性酸素は喫煙や紫外線など、外部からの刺激によっても作られます。
一方で、活性酸素は身体にとってダメージを与えるだけでなく、身体にとって必要な物質でもあります。
身体の中に入ってきた細菌やウイルスの除去や、女性の排卵や受精にも必要な物質であることがわかってきています。
この活性酸素は、多すぎると細胞にダメージを与えてしまうため、身体の中には活性酸素を取り除く仕組みも備わっており、バランスが取れています。
しかし、活性酸素が多くなりすぎると、処理しきれなくなり、バランスが崩れてしまいます。
この状態が酸化ストレスと呼ばれます。
酸化ストレスは、ヒトの老化やがん、生活習慣病の発症に関わっていることがわかってきており、各分野で研究が進められています。
というわけで、話も元に戻しますと、卵巣内の酸化ストレスについて調べ、酸化ストレスがどのように卵巣の老化に関わっているかがわかれば、卵巣の老化を遅らせる手段を見つけるのに繋がるのではないか、ひいては不妊症の治療に役立つ可能性も、、と考えて、日々試行錯誤しながら研究しています。
このような研究を通して考えたこと、学んだことを、日々の診療に活かしていければと思っております。