まつみレディースクリニック三田

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赤ちゃんの脳の研究:ドクターブログ(9)

こんにちは、金曜日から月曜日に勤務日が変更になりました、医師の丸山です。

今日は私が行っている研究についてご紹介させていただきたいと思います。

 

私は東京大学の産婦人科では周産期という分野のグループに所属しております。

産婦人科は現在、4つの分野に大まかに分類されております。

周産期(産科の分野)、腫瘍(がんの分野)、リプロダクション(不妊、生殖の分野)、ヘルスケア(月経や更年期などQOL: Quality of lifeに関わる分野)に分けられており、東京大学ではすべての分野を取り扱っております。

私は周産期グループの中でも、分娩監視装置に着目した研究を行っております。

 

現在、日本で広く採用されている分娩監視装置は胎児心拍陣痛図(CTG: Cardiotocogram)という装置であり、陣痛が起きた時の胎児の心拍の変化から胎児の状態を評価するというものです。

この装置は簡便で、非侵襲的(痛みなどの害が少ない)である一方、偽陽性(本当は異常ではないのに、異常のパターンが表示されること)が少なくないというデメリットを指摘されています。

それにより、不必要な帝王切開が増えることもあり、世界の研究者たちがより正確な分娩監視装置を作れないかと模索している背景があります。

 

私は東京大学の産婦人科の所属ではありますが、研究は埼玉県所沢市にある防衛医科大学校の生体情報・治療システム研究部門で行っております(そのため、まつみレディースクリニックに勤務する以外の曜日は所沢に通っています)。

その部門には光学分野の専門の先生方がいらっしゃるため、共同研究者として同部門にも所属し、胎児の脳を評価する分娩監視装置を作れないかという目的のもと、研究しております。

 

具体的には脳に害のない光(拡散反射光)を当て、返ってきた光を分析することで脳が悪い状態(脳浮腫)になっていないかを評価する方法です。

この方法に近い方法は、光赤外線スペクトロスコピー(Near infrared spectroscopy: NIRS)という技術があり、救急分野の外傷後の脳の損傷を評価したり、精神科分野のうつ病の様子を評価したりなどに使用されています。

今はラットの新生仔を使った実験をしておりますが、いつかはヒトへの応用ができればいいなと考えております。

 

だんだん暖かい日が増えてきましたね。

早く新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着くことを、心より願っております。

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