みなさんこんにちは、看護スタッフです。
当院でも子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種を開始することになりました。
子宮頸がんは子宮の入り口部分(頸部)にできるがんです。
子宮頸がんの発症数は約1万人/年、死亡者数は約2900人/年と報告されております。
なかでも20~30歳代女性における罹患率は増加傾向にあります。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。
HPVには200種類以上の「型」があり、皮膚に感染する「皮膚型」と性器や粘膜に感染する「粘膜型」に大別されます。
また、がんとの関連性から「低リスク型」と「高リスク型」に分類されます。
高リスク型のHPVの持続感染が子宮頸がん発症のリスクとなります。
また、HPVは子宮頸がん以外にも外陰上皮内腫瘍や膣上皮内腫瘍、尖圭コンジローマなどの病気の発生に関わっています。
当院ではガーダシルに加えて、シルガード9というHPVの感染を予防するワクチンを採用しております。
ガーダシルは4価の任意接種、定期接種の方が対象のHPVワクチンです。
シルガード9はガーダシルの4価に加え、9価の任意接種のHPVワクチンになります。
予防できるHPVの型が増えるということは、予防できる子宮頸がんの範囲が広くなるということです。
16型と18型が関与しているケースは、子宮頸がん全体の約65%です。
シルガード9で予防できる9種類のうち、6型と11型を除く7種類が子宮頸がんの原因となる型ですが、この7種類のいずれかが関与しているケースは、子宮頸がん全体の88%以上になります。
つまり、9価ワクチンを接種すると、子宮頸がんになる可能性が88%減るということになります。
もちろん、100%ではないので、ワクチンを接種していても子宮頸がん検診を定期的に受けることが重要です。
自費での接種で1年以内に3回の接種が必要となりますが、将来のご自身のために早めに予防をすることをおすすめいたします。