まつみレディースクリニック三田

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妊娠とCOVID-19:ドクターブログ(11)

こんにちは、月曜日担当の丸山です。

7月から火曜日へと曜日の変更がありますが、変わらず宜しくお願い致します。

 

外来中、または知り合いの妊婦さん、妊娠を希望されている方から妊娠と新型コロナウイルス感染症について聞かれることが少なくないため、今現在わかっていることについて今日はお話しようと思います。

 

新型コロナウイルスは正式にはCOVID-19(SARS-CoV-2)というウイルスの名称になります。

一般的な新型コロナウイルス感染症については、「こびナビ」というサイトが大変よくまとめてくださっているので、そちらをご参照ください。

医療従事者が有志で作成しているサイトであり、作成メンバーの中には妊娠中にワクチンを打った女性医師もいらっしゃいます。

少し脱線いたしましたが、話を戻します。

 

妊娠と新型コロナウイルス感染症についてですが、5月に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する母子保健領域のシンポジウムがありました。

その中からの報告などからいくつか抜粋してお話いたします。

 

2020年9月British Medical Journalの感染妊婦11432人のメタアナリシス(複数の研究結果をまとめて解析する手法です)では、非妊娠女性に比べて、集中治療室(ICU)入院が1.6倍、人工換気が1.9倍、早産が3.0倍に増加したとの報告がありました。

これを受けてアメリカの疾病予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)は妊娠は重症リスクであり、早産リスクが高いかもしれないとしております。

 

出生児への感染はまれではある(0-4.7%、日本では1.9%程度)が、感染報告はあり、その多くは出生後の母子感染ではないかとされています。

ただし、多くは無症状か軽症で回復していると報告しており、母乳を介した感染の危険性は低いことから母乳栄養の一律中止にするエビデンスはないということです。

 

日本においては、大阪産婦人科医会が168人の感染妊婦について報告しています。

この中で人工呼吸器やECMOを使用した方は5人いたという報告があり、また妊娠28週以降の感染が最も多く50人に上ったことが挙げられており、妊娠後期で急激に重症化した例も報告されています。

そのため、感染予防が大事とされています。

 

一方で、コロナ禍における妊娠、出産後女性の不安に関してもクローズアップされています。

感染者が多い地域では不安障害の妊婦さんが多かったり、里帰りがかなわなかった妊婦さんでうつ傾向が高かったりなどの結果がでています。

 

ワクチンについても外来中に聞かれることがありました。

現時点において、日産婦感染症学会および日本産科婦人科学会は中、長期的な副反応などの情報収集で必要であるとしながらも、メリットとデメリットを考慮すると

 

「妊婦をワクチン接種対象者から除外しない、特に人口当たりの感染者が多い地域では積極的な接種を考慮する」

「現時点でmRNAワクチンが催奇形性や胎児胎盤障害を起こすという報告はないが、器官形成期の12週までは接種を避ける」

 

としています(アメリカでは特に時期の制限はないです)。

これはアメリカで90000人以上の妊婦さんがワクチンを接種した結果、現時点で安全戦に関わる懸念を認めていないことを根拠に挙げています。

 

上記2学会は気になること、心配なことがある場合は、かかりつけ医に妊婦健診の際に相談することを勧めております。

コロナ禍でも妊婦健診を受診することは大切なので、定期的な受診をお願いいたします。

 

ワクチン接種が日本でも開始され、職域接種も一部企業で開始されました。

感染予防ももうしばしの辛抱です、みんなで頑張りましょう。

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