12月8日の水曜日に東京慈恵会医科大学産婦人科同窓の許山浩司先生に企画していただいた、東京慈恵会医科大学産婦人科学講座の岡本愛光主任教授と3人での会合で話題になった学位論文の紹介の続きです。
HPの業績一覧のトップにあった2019年度の英語論文を紹介しています。
原著は「Autonomous trisomic rescue of Down syndrome cells 」という題名で、学位論文は「羊水由来人工多能性幹細胞における21トリソミーレスキュー」という論文名です。
わかりやすく言うと、羊水由来の人工多能性幹細胞を用いた研究です。
「トリソミーレスキュー」とは、過剰な(=2本が正常の染色体の3本目の)染色体が分解もしくは細胞外に排出されることにより染色体の数の異常が自然に修復し、(染色体数の異常がなくなった)受精卵が生存可能になることを言います。
さて、研究成果の解説です。
ダウン症は、21番染色体の数的異常(21番目の染色体が3つある:21トリソミー)により起こるもっともポピュラーな染色体異常で、症状の一つには精神遅滞があげられます。
また、ダウン症の方は早期発症型アルツハイマー病を発症する傾向があります。
このような病気による症状を表現型といいます。
ダウン症の染色体異常(21トリソミー)とこの表現型の一つである神経系の異常との因果関係はまだ明らかになっていません。
わかりやすく言い換えると、余分な3つ目の21番染色体がダウン症の(精神遅滞などの)表現型に与える影響は不明です。
これらを明らかにするための基礎的研究として、21番目の染色体が3本ある(=21トリソミーの)羊水由来人工多能性幹細胞の21トリソミーレスキュー(=21番目の染色体が3本ある細胞が2本になること)が起きるかどうかを検討しました。
研究の目的だけで長くなってしまったので、研究の結果は、次回です。
クリニックの目の前のお寿司屋さんにはいつも新鮮なネタを出していただいています。
これからは慈恵会医科大学との連携を深めて、港区の地域医療に貢献していきたいものです。
ちなみに、岡本教授、許山副院長ともさすがの港区の慈恵医科大学ご出身の方でネクタイもオシャレでした。
お二人のオシャレなネクタイはFacebookもご覧ください。
寿司ネタもタイがすこぶる美味しかったです。