久しぶりの対面の学会参加で、第4回日本不育症学会で発表するため名古屋に来ています。
名古屋市は日本の三大都市圏のひとつである中京圏における行政・経済・文化の中枢都市です。
名古屋は江戸時代は尾張徳川家の治める城下町として繁栄した歴史を持ち、熱田神宮でも有名です。
学会は不育症と慢性子宮内膜炎についての特別講演やPGT-Aの有効性についての教育講演、また統計学についてのセミナーなど盛りだくさんの内容です。
一般演題は15題あり、そのうちの3つの演題がネオセルフ抗体に関するものです。
ブログにもたびたび登場する「ネオセルフ抗体」ですが、わかりやすく説明すると「ネオ=新しく、セルフ=自己」という語源で、新たに同定された自己抗体を指します。
不育症はさまざまな原因で起きる疾患ですが、抗リン脂質抗体が存在するために発症する抗リン脂質抗体症候群のひとつです。
抗リン脂質抗体症候群は自己の組織(=細胞)の構成成分であるリン脂質に対する自己免疫性疾患というカテゴリーに入ります。
抗リン脂質抗体には、ループスアンチコアグラントや抗カルジオリピン抗体、抗PE抗体など数多くの抗体が存在します。
繰り返しになりますが、ネオセルフ抗体はこれらの抗リン脂質抗体のひとつということになります。
自己免疫性疾患という疾患群は、甲状腺組織を標的とするバセドウ病や関節組織をターゲットとする関節リウマチで有名ですが、腸管に起きるものをIBD(Inflammatory Bowel Disease:炎症性腸疾患)といいます。
炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory Bowel Disease)には潰瘍性大腸炎とクローン病の2つがあります。
IBD(Inflammatory Bowel Disease:炎症性腸疾患)もまだ治療法などに一定の見解がなく、一方でさらに有効で安全な治療を求めて数多くの新薬の治験や漢方治療が行われています。
名古屋では鉄門ヨット部の先輩のよこやまIBDクリニックの横山正院長先生とお会いする機会に恵まれました。
よこやまIBDクリニックは金山駅の近くにある東海地方初のIBD専門のクリニックです。
久しぶりの出張で、学会場での勉強以外に観光も楽しみたいものです。
名古屋の副都心、金山のホテルで見つけた可愛らしい七夕飾りの写真など、Facebookでもご覧いただけます。