港区三田地区医師会の講演会 (15):「肝疾患の話」|まつみレディースクリニック|港区・田町・浜松町の産科・婦人科・不妊|女医在籍

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港区三田地区医師会の講演会 (15):「肝疾患の話」

港区三田地区医師会の講演会 (15):「肝疾患の話」|まつみレディースクリニック|港区・田町・浜松町の産科・婦人科・不妊|女医在籍

9月29日は港区医師会三田地区講演会(27会)でした。

外来を制限しまして、まだまだ蒸し暑い中、いそいそと八芳園へ。

 

今月の27会は「放置されがちな肝疾患:MAFLDからPoPHまで」という演題名で、海老沼浩利国際医療福祉大学消化器内科学主任教授のご講演でした。

座長は医師会の集まりでも仲良くしていただいている、たまちホームクリニックの菰池信彦先生。

 

脂肪肝のCT画像からの症例紹介より始まり、肝硬変の症状、M2BPGiという肝臓組織の線維化を示す新しいバイオマーカーや肝臓がんの薬物療法、代謝異常関連脂肪肝(MAFLD:metabolic dysfunction-associated fatty liver disease)と非アルコール性脂肪肝(NAFLD:nonalcoholic fatty liver disease)という脂肪肝の2つのタイプの違いなど、幅広い内容の丁寧な講義で久しぶりに勉強ができました。

※M2BPGi:Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体(Mac-2 binding protein glycosylated isomers)

門脈肺高血圧症(PoPH:Portopulmonary Hypertension)のパートでは、肝臓へ向かう血管や門脈(=肝臓に栄養を送る血管)の解剖学からのおさらいからでしたが、肝臓から脾臓への側副血行路のイラストや食道静脈瘤の写真などとてもカラフルで視覚にも〇。

 

肝臓がんの治療は手術やラジオ波など物理的に肝臓がんの細胞を取り除く外科的治療からFGF(Fibroblast Growth Factor;線維芽細胞増殖因子)やVEGF(Vascular endothelial growth factor;血管内皮細胞増殖因子)といった増殖因子(=細胞の増殖を調節するタンパク質)の阻害剤を用いる薬物療法にも治療の選択肢が増えていることに肝胆。

むむっ、感嘆だったかな。

 

学生の頃は、B型肝炎やC型肝炎からの肝臓がんが有名で、ウィルスによって発症する病気だと思っていましたが、近年ではメタボからの脂肪肝による肝臓組織の線維化が原因となっています。

折角の機会なのでフロアーからと講演後にも質問しましたが、海老沼先生は、簡単に、お答えくださいまして大変有難かったです。

 

講演会最後の坂詰正己先生がおっしゃる「医者と医師の違い」のお言葉も大変有難かったです。

 

白金台の景色も堪能しまして、気分転換。

昏睡できた木曜日となりました。

 

夜食や飲酒はMAFLDの発症のリスク因子となりますが、自粛生活が続いてしっかり脂肪肝になっているハズ。

自分の健康にも気を使うことが肝心で、93歳近くまで精一杯地域医療に貢献したいものです。