1月5日より2023年度の診療が始まりました。
今回は、臨床統計(2)というタイトルで前回の臨床統計(1)の続きのお話です。
スタッフが頑張ってブログを書いてくれるおかげで、「寒中見舞い」を出す時期になりました。
前回の臨床統計(1)に続き、年始の初出勤のお話からです。
年始の1月4日は慶応義塾大学のインターンスタッフを含めた5名が出勤してくれました。
クリニックはスタッフを教育し診療レベルを一定に保つために、完全予約制でカルテを前日までに予習するシステムを採用しています。
仕事始めの日に、5日からのカルテの準備と簡単な新人常勤スタッフ研修を修了しました。
さて、年末年始休暇中の12月28日から1月3日は、ゆっくり時間が取れたので、新型出生前診断の施設認定を受けるための事務仕事や講習会の受講することが出来ました。
11月に高知で開催された日本生殖免疫学会終了後から、データーをまとめるべく臨床統計にかなりの時間を費やしたため、患者さまや友人から、
「最近ブログを自分で書いてますか?」
という質問を受けることが多かったですが、第1回アジア生殖免疫学会(The 1st Asian Congress for Reproductive Immunology:ACRI)で研究成果を発表する準備が年末年始で少し進められてよかったです。
なお、新型出生前診断の施設認定は、1月から加入した新人スタッフの初期研修が落ち着いた夏頃からの導入を予定しております。
しばらく、お待ちください。
前回のブログでお話したように、今後、当院は、東京大学医学部付属病院とも密に生殖医療でも連携を取ってまいります。
港区以外の中央区・千代田区や文京区にお住まいの方も体外受精・胚移植の前の一般不妊治療やブライダルチェックなどを、是非、当院にて宜しくお願い致します。
また、子宮内膜症・月経異常・月経困難症についての診断も東京大学産婦人科助教・東京大学医学博士・生殖医療専門医の浦田陽子医師の新加入に伴って、火曜日に再開予定です。
これらの病気を専門にみる「子宮内膜症外来」は現在調整中ですが、1月17日(火)を目標に開設準備を進めています。
なお、月経異常などに含まれる過多月経・不正性器出血などの患者さまは一般婦人科のカテゴリーで診療致しますが、こちらは1月現在常勤看護スタッフが1名のため、貧血症状などで緊急的な処置が必要となる場合があり、残念ながら当院では診療できませんので、他院を受診されてください。
さて、臨床統計を正しくまとめるには、統計解析を理解する必要があります。
例えば、新しく開発された検査や医薬品などの新規の医療技術を実用化するためには人を対象とした臨床試験を行い、有効性(と安全性)を評価しなければいけません。
同じ疾患を有する患者でも検査の有効性は疾患の細かな分類や進行度、患者の年齢、性別、臓器の状態などによって変わります。
さらに背景の条件が全く同じで、個体差をなくした同一個体であったとしても有効性にはばらつきが生じます。
期待される結果に基づく研究計画に対しても、思い入れが強ければ強いほど客観的な評価が困難となります。
このような様々なばらつきが存在するという前提の母集団の限られた標本からでも統計解析の手法を用いると、一般的な結論を導き出すことが出来ます。
着床不全・不妊症、不育症に加えて、子宮内膜症・月経困難症の領域でも、臨床研究を通じ新たな知見を学んでいければと思います。
浦田先生はカナダのオタワ大学での留学もされてまして、生殖内分泌領域でのベーシックサイエンスの知識も豊富です。
火曜日の「子宮内膜症外来」と浦田陽子先生を宜しくお願い致します。