木曜日担当の藤井です。
今回のブログでは子宮頸がん検診について記載したいと思います。
子宮頸がん検診とは、文字通り子宮頸がんの有無を確認するために行う検診となります。
通常、はじめに子宮頸部の細胞を盲目的にブラシで擦る「細胞診」を行い、異常があれば精密検査(二次検診)、という流れになります。
一方で、子宮頸がんはヒトマピローマウイルス(HPV)というウイルスの一種が発がんの主な原因になることが知られていますので、HPVの有無を判定する検査(HPV検査)を単独、あるいは細胞診と合わせて行うこともあります。
子宮頸がんに罹患された方の中には、一年前二年前の細胞診で異常がなかった、という方もいらっしゃいます。
HPV検査も併用することで、より高い精度で前がん病変を検出できるようになることが期待されます。
HPVワクチンの接種に加えて、定期的なこれらのがん検診により進行子宮頸がんの大半は防ぐことができると考えられています。
なお、我が国においては、細胞診もHPV検査も原則として医師による採取を推奨しています。
細胞診で異常を指摘された場合には精密検査(二次検診)を行います。
精密検査としては通常コルポスコピーと組織診を行います。
コルポスコピー検査は拡大鏡を用いて子宮頸部の病変を確認する方法であり、イメージとしては子宮頸がん検査で行われる細胞診が子宮頸部を盲目的にブラシで擦る検査であるのに対して、コルポスコピーでは拡大鏡で子宮頸部の様子をしっかりと目視のうえ病変の評価、怪しい部位に狙いを定めてしっかりと組織を採取する(組織診)検査となります。
一方で、適切に「狙いを定め」られていない場合には、正確な組織診にならない、というデメリットがあります。
「細胞診」、「HPV検査」、「コルポスコピー」、「組織診」をうまく組み合わせて評価を行い、診察を進めていくことが重要となります。
組織診で異常を指摘された場合には、治療の適応について相談することになります。
軽度の病変の場合には経過観察となりますが、中等度異常の病変の場合には手術が考慮されます。
手術にも複数の種類があり、挙児希望などを加味しながら相談することとなります。
以上のように、子宮頸がん検診やその治療は、HPV検査の登場や手術デバイス(医療機器)の進歩により様々な手法が選択できるようになってきました。
当院ではHPVワクチンの接種、子宮頸がん検診に加えて、精密検査(コルポスコピー検査、組織診)、治療方針の相談も行っております。
木曜日を中心にコルポスコピーなどの子宮頸がんの二次検診の外来が始まりました。
お困りのことが御座いましたら是非ご相談下さい。