まつみレディースクリニック三田

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慢性子宮内膜炎の診断と治療(後編):スタッフブログ(462)

こんにちは。看護部です、。

慢性子宮内膜炎についてのお話の後編です。

 

子宮内膜とは、子宮内の粘膜組織で受精した胚が着床する重要な場所です。

慢性子宮内膜炎とは、軽度の炎症が持続的に子宮内膜に起こっている病態で、着床不全や妊娠初期の早期における流産の原因のひとつとして考えられています。

慢性子宮内膜炎が着床不全につながるのかというメカニズムはまだ解明されていません。

 

慢性子宮内膜炎の原因、検査方法、治療法についてお話します。

 

◯原因

さまざまな原因によって慢性子宮内膜炎は起こります。

内膜炎という名前から感染症が原因という印象を受けるかもしれませんが、感染だけでなく出産や流産、子宮内膜症などとも関連があります。

これらの原因がどのような機序で慢性子宮内膜炎を起こすかについては、まだ十分に解明されていませんが、CD138という抗原を持つ免疫細胞(形質細胞)が内膜に炎症を起こしている可能性が考えられています。

 

◯検査方法

 

①子宮鏡

3mm程度の細く柔らかいカメラを使って、子宮内を観察します。

慢性子宮内膜炎だけではなく、着床障害の原因である子宮内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫などの有無も分かります。

慢性子宮内膜炎では、小さいポリープの多発(マイクロポリポーシス)や炎症性の発赤、多数の赤点斑、内膜の浮腫を認めます。

子宮頸管の状態にもよりますが、カメラが細いため痛みが少なく、外来で5分ほどの診察で終了し、すぐに結果を聞くことができます。

 

②病理診断

子宮内膜の組織を採取して、免疫組織化学という特殊な病理検査をします。

CD138というタンパク質がある形質細胞と呼ばれ、慢性感染や急性感染の末期、月経中に子宮内膜間質に出現します。

このCD138 陽性細胞を検出することによって、慢性子宮内膜炎の有無を判断します。

  

③細菌培養

子宮内膜の分泌液を採取し数日かけて培養し、細菌の同定をします。

⼦宮内感染の原因菌を見つけることを⽬的に⾏います。これにより原因菌と共に効果のある抗菌薬を⾒つけることができる場合があります。

 

◯治療法

 

抗菌薬を2週間内服します。

抗菌薬の服用後、慢性子宮内膜炎が改善しているかを子宮内膜組織検査と子宮内膜培養検査にて確認する必要があります。

 

薬の服用(抗菌薬治療)で改善しない場合、細菌やウィルスの感染が内膜の炎症と関係ない可能性があります。

その場合、外科的に炎症性の高い子宮内膜を人工的に掻爬する必要があります。

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