こんにちは、看護スタッフです。
トリアージとは災害発生時などに多数の傷病者が発生した場合に、傷病の緊急度や重症度に応じて治療の優先順位を決めることを言います。
判断は主に医師がしますが状況によっては救急救命士や看護師が行う場合もあります。
またトリアージを行うものは応急処置を含めて治療行為は行わないことになっています。
トリアージの語源はフランス語で「選別」の意味であるTriage(トリアージュ)だそうです。
元々フランス軍の衛生隊が始めた野戦病院でのシステムであり、フランス革命後の戦争で身分に関係なく医学的必要性のみで選別したことが始まりだそう。
トリアージした結果はすぐ分かるように右手に色分けしたトリアージタッグを右手につけます。
赤色(生命が危機的で今すぐ治療が必要)、黄色(処置までに数時間の余裕がある)、緑色(生命の危険がなく外来で十分)、黒色(すでに心肺停止など救命の見込みがない)の4色で優先順位は赤→黄→緑→黒、助かる見込みのない人を除き重症から診ていくということになります。
トリアージにはスピードが重視されるため30秒以内を目安にされていきます。
また状況が時間の経過により変化するため繰り返し行う必要があります。
問題点としては、カテゴリーが4つしかないため同じタグでも重症度が大きく変わる場合があったり、素早く的確に判断することが難しい、ミスをした場合の責任の所在などがあります。
災害以外のトリアージとして最近行われたものとしてはコロナウィルスの流行時の人工呼吸器です。
足りなかったことなどによりどの患者を優先するかというトリアージがされました。
また私がたまにしている看護師電話相談も受診するかどうか、救急車を呼ぶのか、自宅で様子をみていいのかなどの広い意味でのトリアージをしていることになります。
医療以外でも日常生活や仕事で、みなさんも自然に優先順位をつけるトリアージのようなことをしているのではないでしょうか。
何でも物事をスムーズに進めるために優先順位をつけることはとても大事だと思います。