まつみレディースクリニックは不育症や流産既往不妊症および体外受精の反復着床不全などの治療に注力して診療や学会活動を展開しています。
うまく妊娠まで至らない方が妊娠され、そこから分娩施設まで一気通貫で診療することを目指して、クリニックを運営してきました。
従いまして、妊婦健診も大事な領域で、特に、里帰り分娩の方の妊婦健診は主に愛育病院と連携して積極的に行っております。
第2回アジア生殖免疫学会学術講演会の第8回目は、そんな妊婦健診で遭遇する妊娠高血圧症候群についてのブログです。
繰り返しになりますが、妊娠高血圧症候群(preeclampsia)は妊娠合併症のひとつです。
東京大学の橋本先生はモデルマウスを用いて胎盤由来のエクソソームの母体や胎児に対する作用について発表していました。
さて、前置きが長くなりましたが、第7回目の続きになります。
研究結果をポイント解説する前に妊娠高血圧症候群をおさらいしたいと思います。
妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降に高血圧を発症し、タンパク尿を伴う妊娠合併症です。
この症候群は特に早発型(妊娠34週未満で発症)では重症化することが多く、母体の高血圧、肝機能障害、腎機能障害、けいれん発作、脳出血を起こすリスクがあります。
胎児に対するリスクとしては胎児発育不全、常位胎盤早期剥離、胎児死亡をなどがあります。
研究結果を一言で説明すると、モデルマウス(=ねずみ)から抽出したエクソソームを投与されたねずみの腎臓は障害され、特に血管の変化が大きいとのことでした。
橋本先生の発表後、折角なのでご挨拶もかねてフロアから質問しましたが、丁寧に回答くださいましてとても勉強になりました。
国際医療福祉大学永松教授と橋本先生との3ショットはスタッフがInstagramにもアップしてくれてますので、宜しければそちらも覗いてみて下さい。