富山で開催されました第39回日本生殖免疫学会の演題のポイント解説をシリーズでお伝えしています。
臨床の演題の内容をまとめますと、不妊症や不育症における子宮内細菌叢、免疫療法、ネオセルフ抗体検査の話と妊婦における細菌性腟症についてのトピックになります。
今回はこの中から、妊婦における細菌性腟症のお話をポイント解説いたします。
演題と発表者は以下になります。
妊婦の細菌性腟症の診断におけるNugentスコアとreal-time PCR法(Flora SelecTM)の比較
手稲渓仁会病院 山田 秀人
山田秀人先生には、わたくしがネオセルフ抗体の研究をしていたときも学会では暖かくご支援を賜ったものです。
おかげさまで、こちらについての研究は英文学術誌にも掲載されまして、大変喜ばしいことです。
では、ポイント解説いたします。
細菌性腟症とは、膣内に細菌が繁殖し、炎症を引き起こす病気です。
主に膣の正常なバランスを崩す細菌が原因で発生します。
症状としては、膣の痛み、分泌物の増加、不快感、排尿時の痛みなどがあります。
Nugentスコアは、細菌性腟症を診断するために使われます。
顕微鏡で検査し、特定の種類の細菌の存在を調べて、点数(スコア)をつけます。
スコアが高いほど細菌性腟症の可能性が高いことを示します。
この研究では、当院でも導入予定の新しい検査との診断精度の比較がなされていました。
細菌性膣症をおこす原因にはGardnerella、Prevotella、Bacteroides、Atopobium、Mycoplasma、Ureaplasmaなどが挙げられます。
細菌性膣症の治療には、認められた菌に効果がある抗生物質が投与されます。
日常的な健康管理や清潔を保つことも、細菌性膣症の予防に役立ちます。
懇親会でもゆっくり情報交換ができました手稲渓仁会病院の山田先生と神戸大学の谷村教授とのスリーショットの写真はfacebookもご覧ください。