還暦になり、舞鶴に続いて鹿児島にもはじめてたどり着く。
鹿児島空港の近くの公園に、西郷さんの大きな銅像を見に行った。
堂々と立つその姿を見上げていると、ずっと訪れてみたかった鹿児島に確かに来たのだと実感する。
大学院時代に長崎に国内留学していた頃から、九州人の裏表なく実直で飾らない気質は好きだった。
言葉より行動。
九州の友人達は困っているものには自然に手を差し伸べる——その姿には、いつも心が温かくなる。
桜島の噴火をはじめとする厳しい自然が、人々に工夫と強さを育ませてきたのだろう。薩摩芋(サツマイモ)は琉球から伝わり、噴火や飢饉で作物が育ちにくい環境の中でも栽培され地域に広まった。
芋は強く、肥沃でない火山灰の多い土地でも育ち、飢えから守る。
食物繊維とでんぷんが豊富な食物で厳しい環境で人々の身体を支え、日々の活力を与える要素が詰まっている。
芋は地上の果実ではなく、土の中に根を張る地下茎というカテゴリーに入る。
鹿児島に来て、助け合いそして困難を乗り越えてきた人々の気質に触れることができた。
地下茎は地中の日に当たらないところでも互いにつながり、静かに命を支えている。

